セッション情報 一般演題(初期研修医)

タイトル 28:

big-IGF-II産生肝細胞癌による低血糖発作予防に皮下埋め込み型中心静脈カテーテルからの輸液が有効であった1例

演者 下釜 翼(愛媛県立中央病院 臨床研修センター)
共同演者 平岡 淳(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 一柳 美沙(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 日高 聡(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 清水 祐宏(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 今井 祐輔(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 宇都宮 大貴(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 達川 はるか(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 山子 泰加(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 谷平 哲哉(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 長谷部 昌(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 二宮 朋之(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科), 河崎 秀樹(愛媛県立中央病院 消化器病センター 外科), 道堯 浩二郎(愛媛県立中央病院 消化器病センター 内科)
抄録 IGF-II産生肝細胞癌による低血糖発作に対し、皮下埋め込み型中心静脈カテーテル(CVポート)からの輸液が低血糖防止に有効であった症例を経験したので報告する。【症例】61歳女性。平成21 年8月下旬より空腹時に倦怠感と目のかすみを自覚。同年9月に意識障害にて近医入院。その際に施行された腹部CTにて10cm大の肝腫瘍を指摘され、10月当科へ精査加療目的にて紹介入院。入院時の空腹時血糖は31mg/dL、血中インスリンは測定感度以下、尿中C-ペプチドは51.1μg/日であった。HBs抗原、HCV抗体とも陰性、AFP 61000ng/mL、L3分画 47.7%、PIVKA-II 17547mAU/mL、CEA 1.7ng/mL、CA19-9 8.6U/mL。EOB-MRIで左葉のほとんどを占めた肝外に突出する13cm大の巨大な肝細胞癌(HCC)をはじめ、両葉に多発するHCCがみられた。FDG PET/CTでは肝以外に明らかなFDG集積はみられなかった。左葉の巨大HCCに対して減量手術を行い(腫瘍最大径21cm、病理:中分化型肝細胞癌、EdomondosonII型)、残肝の多発HCCへTACEによる加療を行った。IGF binding protein-3 1.7μg/mlであったがbig-IGF-II産生HCCの可能性を考えて検査したところ、Western blot法で血中にbig-IGF-IIが検出され、IGF-II産生HCCと診断した。HCCが残存していることから低血糖回避を目的としてCVポートを留置し、夜間高カロリー輸液による低血糖予防を行った(820kcal/12時間)。右葉のHCCに対してTACEにて治療したが急速な進行がみられ、肝予備能もChild-Pugh Bへと低下した。平成22年3月の全身CTにて多発肺転移および腹膜播種を認めたためbest supportive careの方針となった。日中の補食とCVポートを利用した夜間の高カロリー輸液で低血糖発作を予防することができ(空腹時血糖70-130 mg/dL)、QOLを保ちながら生活をされ同年5月に永眠された。【考察と結語】IGF-II産生悪性腫瘍における低血糖予防についてはステロイドや補食など様々な報告があるが、低血糖を確実に回避できる手法は未だ報告はない。IGF-II産生HCC患者の夜間低血糖発作の予防にCVポートの利用は有用と考えられた。
索引用語 IGF-II産生肝細胞癌, CVポート