セッション情報 一般演題(初期研修医)

タイトル 29:

経皮経肝エコーガイド下肝腫瘍生検にて診断しIL-2による治療を開始した肝原発類上皮血管内皮腫の一例

演者 重松 達哉(愛媛県立中央病院 臨床研修センター)
共同演者 日高 聡(愛媛県立中央病院消化器病センター), 田鶴谷  奈友(愛媛県立中央病院消化器病センター), 平岡 淳(愛媛県立中央病院消化器病センター), 清水 祐宏(愛媛県立中央病院消化器病センター), 下釜 翼(愛媛県立中央病院 臨床研修センター), 山子 泰加(愛媛県立中央病院消化器病センター), 今井 祐輔(愛媛県立中央病院消化器病センター), 宇都宮 大貴(愛媛県立中央病院消化器病センター), 達川 はるか(愛媛県立中央病院消化器病センター), 依光  展和(愛媛県立中央病院消化器病センター), 谷平 哲哉(愛媛県立中央病院消化器病センター), 長谷部 昌(愛媛県立中央病院消化器病センター), 二宮 朋之(愛媛県立中央病院消化器病センター), 道堯 浩二郎(愛媛県立中央病院消化器病センター)
抄録 症例は49歳女性。検診にてγ-GTP高値を指摘されたため近医で腹部超音波検査を施行。肝内に多発し、一部癒合する最大径45mm大の腫瘤を認めたため、精査加療目的にて当科紹介。肝ダイナミックCT検査では単純CTにて多発する低吸収域を認め、動脈相にて内部不均一で造影効果不良であり、門脈相にて低吸収域として描出された。PET-CTにて肝内にFDGの集積を伴った腫瘤が多数見られ、大きな腫瘍ではFDGの集積はリング状であった。また、肺野にFDGの集積を伴わないものの小結節が多数みられ転移性肺腫瘍を疑った。肝腫瘍については転移性肝腫瘍や胆管細胞癌が疑われたが、肝炎ウイルスマーカー、腫瘍マーカー陰性であり、明らかな原発巣も各種画像診断で指摘されなかったため、確定診断目的にて経皮経肝エコーガイド下肝腫瘍生検を施行。H-E染色にて小胞巣状からコード状配列を示す上皮様腫瘍細胞を認めた。免疫染色にて第VIII因子など血管内皮マーカー陽性であり、肝原発類上皮血管内皮腫(Epitheloid hemangioendothelioma : EHE)と診断した。医学中央雑誌にて検索しえた限り、肝原発EHEは26例の報告しかなかった。EHEは現在のところ決まった治療方針がなく、過去の報告例を元に患者、家族への十分なインフォームドコンセントの上でIL-2による治療を開始した。今回画像検査上診断困難であり腫瘍生検にて確定診断し、IL-2にて加療を開始した肝原発EHEの一例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 類上皮血管内皮腫, IL-2