セッション情報 一般演題

タイトル 33:

肝障害が遷延したdrug induced hypersensitivity syndromeの一例

演者 北川 達也(高知大学 医学部 消化器内科)
共同演者 寺尾 美沙(高知大学 医学部 消化器内科), 吉岡 玲子(高知大学 医学部 消化器内科), 小笠原 光成(高知大学 医学部 消化器内科), 山岡 肇(高知大学 医学部 消化器内科), 羽柴 基(高知大学 医学部 消化器内科), 宗景 玄祐(高知大学 医学部 消化器内科), 越智 経浩(高知大学 医学部 消化器内科), 廣瀬 享(高知大学 医学部 消化器内科), 高橋 昌也(高知大学 医学部 消化器内科), 小野 正文(高知大学 医学部 消化器内科), 岩崎 信二(高知大学 医学部 消化器内科), 西原 利治(高知大学 医学部 消化器内科)
抄録 【症例】50歳代の男性。【現病歴】2011年7月、発熱に続いて全身に紅斑、紫斑が出現した。肝機能異常、白血球増多、異型リンパ球を認め、被疑薬があったためDIHSを疑われ近医から当院皮膚科に転院した。ステロイド投与などで皮疹と肝障害は軽快し11月上旬に退院したが、5日後に皮疹が悪化し再入院した。経口ステロイドを増量し皮疹は消失したが、ALTが2000 U/Lを超えるなど肝障害が悪化したため、2012年1月当科に紹介入院となった。【経過】ステロイドパルス後経口プレドニゾロンで漸減したが、17.5mg/dayとなった当科入院約2ヶ月後、ALTが1200 U/Lまで再上昇し、T-Bilも5mg/dl近くとなったためステロイドパルスを再施行した。プレドニゾロンを漸減する時にアザチオプリンを併用し、発症後約8ヶ月を経て肝機能は正常化した。2012年3月、ニューモシスチス肺炎を合併したがST合剤で治療し得た。経過中の肝生検ではzone3を主体として肝細胞の壊死脱落、リンパ球、好中球を主体とする中等度の炎症細胞浸潤を認めたが、門脈域の変化は軽度であった。【考察】経過中肝障害ともに抗HHV6 IgG抗体が変動したためDIHSに伴う肝障害と考えられた。その治療においてはステロイドの初期量や再燃時の対応に苦慮することが多く、多臓器病変をきたすこともあるため臨床的に慎重な観察が必要である。
索引用語 薬剤性過敏症症候群, 肝障害