セッション情報 合同シンポジウム2「肝胆膵疾患診療の進歩」

タイトル S2-04:

当院における悪性胆道狭窄に対する内視鏡的金属ステント留置に関する検討

演者 松本 俊彦(国立病院機構四国がんセンター 消化器内科)
共同演者 西出 憲史(国立病院機構四国がんセンター 消化器内科), 上杉 和寛(国立病院機構四国がんセンター 消化器内科), 梶原 猛史(国立病院機構四国がんセンター 消化器内科), 浅木 彰則(国立病院機構四国がんセンター 消化器内科), 壷内 栄治(愛媛大学大学院先端病態制御内科学), 仁科 智裕(国立病院機構四国がんセンター 消化器内科), 堀 伸一郎(国立病院機構四国がんセンター 消化器内科), 那須 淳一郎(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器・肝臓内科学), 灘野 成人(国立病院機構四国がんセンター 消化器内科), 井口 東郎(国立病院機構四国がんセンター 消化器内科)
抄録 悪性の胆道狭窄は胆道癌や膵癌のみならず他癌腫でも経験される病態で、患者の予後やQOLに重大な影響を与える病態である。近年内視鏡技術の進歩に伴い、悪性の胆道狭窄に対して可能であれば内視鏡によるアプローチが主流となり、ステントに関しても開存期間の長い金属ステント留置が増加している。今回我々は2010年1月から2012年7月までに当院で経験した悪性胆道狭窄に対する金属ステント挿入例に対して後ろ向きに有効性と安全性の検討を行った。症例は53症例、年齢中央値は68歳、男/女:28/25例、原疾患は膵癌/胆道癌/その他:38/8/7例、狭窄部位は下部/中部/肝門部:37/12/8例であった。挿入したステントはcovered/non covered:30/23例であった。開存期間中央値は96日(7-493日)で、covered/noncovered:101/73.5日であった。また当院で死亡が確認できた37例中14例で死亡されるまでに再閉塞を認めた。またnon covered stentでは19例中8例が死亡までに再狭窄をきたしたが、covered stentでは再狭窄をきたした症例は18例中3例のみであった。胆管炎/胆嚢炎/膵炎はnon covered stentで14/3/1例、covered stentで12/2/4例に認められた。合併症による死亡は認めなかった。予後の限られた悪性胆道狭窄に対してcovered stentは開存が期待でき有用と考えられるが、合併症に対する適切な対応が必要と考えられた。
索引用語 悪性胆道狭窄, 金属ステント