セッション情報 一般演題(初期研修医)

タイトル 10:

胆嚢炎を契機に発見された胆嚢原発神経内分泌癌(NEC)の1例

演者 丹下 和洋(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科)
共同演者 横田 智行(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科), 山上 隆司(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科), 武智 俊治(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科), 川村 智恵(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科), 田中 孝明(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科), 佐々木 由子(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科), 忽那 茂(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科), 上甲 康二(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科), 丸山 晴司(松山赤十字病院 外科), 中西 良太(松山赤十字病院 外科), 間野 洋平(松山赤十字病院 外科), 西崎 隆(松山赤十字病院 外科)
抄録 症例は64歳、男性。既往歴にアルコール性肝障害、高血圧、高尿酸血症あり。平成24年5月4日より右上腹部痛出現し、症状増悪したため近医受診した。肝機能異常、腹部単純CT検査にて胆嚢炎と診断され保存的加療後、精査目的に当科紹介、入院となった。初診時の腹部US, dynamic CT ,MRCP検査では胆嚢周囲のリンパ節腫大を含め、胆石性胆嚢炎に矛盾しない所見であったが、胆嚢壁の一部に不整な壁肥厚を認めたことから胆嚢癌と黄色肉芽腫性胆嚢炎なども疑われた。EUSでは腫瘍を示唆する所見は指摘できなかった。ERCPを行い、胆汁細胞診を施行したが、悪性の確定診断には至らなかった。ソナゾイド造影エコー検査にて胆嚢近傍の肝S4に動脈相にて濃染し、kupffer phaseにて欠損する9mm大の占拠性病変を認めた。FDG-PET-CT検査では、胆嚢、肝S4病変、周囲リンパ節にFDGの集積を認め、EOB-MRI検査ではPrimovist肝細胞相にてS4のSOLは造影不良域として描出された。以上より胆嚢癌および転移性肝癌が疑われたため、当院外科にて胆嚢摘出、肝S4 ab+S5切除、肝外胆管切除、リンパ節郭清、胆管空腸切除術施行された。病理診断ではN/C比の上昇、ロゼット様構造、胞巣辺縁のPalisading配列などNECを示唆する細胞所見みられ、免疫染色でchromograninA、synaptophysin染色陽性であったため、胆嚢原発神経内分泌癌(NEC)、転移性肝癌と診断された。胆嚢NECは比較的稀な疾患であり、その治療法も確立されていないため、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 胆嚢癌, 神経内分泌癌