セッション情報 合同シンポジウム2「肝胆膵疾患診療の進歩」

タイトル S2-08:

当院における超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)の検討

演者 小林 聖幸(JA香川厚生連 滝宮総合病院 内科DELIMITER香川大学 医学部 消化器・神経内科)
共同演者 内田 尚仁(JA香川厚生連 滝宮総合病院 内科), 西岡 智子(JA香川厚生連 滝宮総合病院 内科), 古田 康夫(JA香川厚生連 滝宮総合病院 内科)
抄録 【目的】超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)は近年膵腫瘍や消化管粘膜下腫瘍(SMT)の診断、肺癌のstagingなどに用いられているが、いまだ一般的な手技とは言い難い。今回当院におけるEUS-FNAの有用性と安全性について検討した。【対象】当院に導入した2010年5月より2012年9月までに65回(61症例)に対してEUS-FNAを施行した。今回の検討では膵内分泌腫瘍は除外し、58回(53症例)を対象に検討を行った。58回中56回で検体採取可能であった(検体採取率96.6%)。対象臓器の内訳は膵臓30回(27症例)、腹腔リンパ節7回(7症例)、胃9回(9症例)、縦隔リンパ節6回(6症例)、食道2回(2症例)、十二指腸及び直腸はそれぞれ1回(1症例)であった。これらを膵病変、SMT、リンパ節に分け検討を行った。良悪性の診断は、手術の結果及び半年間の経過観察の後、画像所見・臨床症状の変化をもとに行った。【結果】膵病変30回において悪性が19回、良性が10回、偽陰性が1回であり、EUS-FNAにおける感度95%(19/20)、特異度100%(10/10)、positive predictive value100%(19/19)、negative predictive valueは90.9%(10/11)、正診率96.7%(29/30)であった。またSMTでは5回が悪性、8回が良性で、感度、特異度、positive predictive value、negative predictive value、正診率いずれも100%であった。さらにリンパ節においては悪性7回、良性6回で同様にすべて100%であった。なお、術中及び術後には明らかな偶発症は認められなかった。【結論】EUS-FNAは安全に施行でき、診断に有用な検査と考えられた。
索引用語 EUS-FNA, 検討