セッション情報 一般演題

タイトル 20:

炭酸ガスを用いて腹部血管造影を施行しえたヨード造影剤アレルギーを有する肝細胞癌の3症例

演者 越智 裕紀(愛媛大学大学院先端病態制御内科学)
共同演者 廣岡 昌史(愛媛大学大学院先端病態制御内科学), 小泉 洋平(愛媛大学大学院先端病態制御内科学), 石原 暢(愛媛大学大学院先端病態制御内科学), 多田 藤政(愛媛大学大学院先端病態制御内科学), 徳本 良雄(愛媛大学大学院先端病態制御内科学), 阿部 雅則(愛媛大学大学院先端病態制御内科学), 田中 宏明(愛媛大学大学院生体画像応用医学), 池田 宜央(愛媛大学大学院先端病態制御内科学), 松浦 文三(愛媛大学大学院先端病態制御内科学), 日浅 陽一(愛媛大学大学院先端病態制御内科学), 恩地 森一(愛媛大学大学院先端病態制御内科学)
抄録 腹部血管造影検査は肝細胞癌では診断と治療の面から極めて重要である。しかし、ヨード造影剤による副作用のため検査を断念する症例が存在する。今回我々は造影剤アレルギーの既往がある肝細胞癌症例に対して、炭酸ガスを用いて合併症なく肝動脈塞栓術を施行しえた3症例を経験したので報告する。【症例1】62歳女性。C型肝硬変で近医にて外来加療されていた。2011年6月に肝S2に肝表に突出する2cmの肝細胞癌を指摘され当科に入院した。入院第20病日に激しい腹痛と貧血の進行あり、CTにて肝細胞癌破裂が疑われ血管造影検査を行った。以前にヨード造影剤アレルギーの既往があり炭酸ガスを使用した。肝動脈の3次分枝より末梢枝まで描出された。肝動脈A2より炭酸ガスの著明な血管外漏出がみられ、肝動脈塞栓術を施行した。塞栓後の造影にて炭酸ガスの血管外漏出の消失を確認し救命がえられた。【症例2】75歳女性。非アルコール性脂肪肝炎で近医にて外来加療されていた。2011年11月に肝S6に3cmの肝細胞癌を指摘されて当科に入院した。他院の造影CT検査でヨードアレルギーの既往があった。炭酸ガスを用いて血管造影施行し、肝動脈前区域枝からの造影で腫瘍内の炭酸ガス貯留がみられた。同部位から塞栓術施行した。術後ソナゾイドを用いた造影超音波検査で、腫瘍内への血流の著明な低下を確認した。【症例3】71歳男性。非アルコール性脂肪肝炎で近医にて外来加療されていた。2012年8月に肝内に多発する最大5cmの肝細胞癌を指摘されて当科に入院した。入院後の造影CT検査で嘔吐と血圧低下がみられた。このため炭酸ガスを用いて肝動脈前区域と後区域枝から肝動脈塞栓術施行した。3症例において肝動脈3次分枝まで描出可能で安全に良好な塞栓を施行しえた。また症例1では明瞭な造影剤の血管外漏出がみられ出血部位診断に有用であった。炭酸ガスを用いた血管造影は安全に良好な塞栓術が可能であり、ヨード造影剤使用が禁忌の症例において有用であることが示唆された。
索引用語 肝細胞癌, 血管造影