セッション情報 一般演題

タイトル 51:

人間ドックの上部消化管内視鏡検査を契機に診断しえたCowden病の1例

演者 遠藤 日登美(三豊総合病院 内科)
共同演者 今川 敦(三豊総合病院 内科), 加地 英輔(三豊総合病院 内科), 松三 明宏(三豊総合病院 内科), 木口 賀之(三豊総合病院 内科), 高田 忠幸(三豊総合病院 内科), 榮 浩之(三豊総合病院 内科), 吉田 泰成(三豊総合病院 内科), 安原 ひさ恵(三豊総合病院 内科), 神野 秀基(三豊総合病院 内科), 守屋 昭男(三豊総合病院 内科), 幡 英典(三豊総合病院 内科), 中津 守人(三豊総合病院 内科), 安東 正晴(三豊総合病院 内科)
抄録 症例は38歳男性、自覚症状なし、33歳のとき他院で人間ドックの胃カメラを初めて行い、食道と胃のポリープを指摘されたが、経過観察となっていた。今回、当院にて2回目の人間ドックを受診し、上部消化管内視鏡検査(EGD)を施行した。EGDでは食道全体に多発した白色調小隆起をびまん性に認め、胃・十二指腸にも多発性の小ポリープを認めた。下部消化管内視鏡検査(CS)では結腸全体に2~3mm大のΙs型ポリープを数個認め、背景粘膜は血管透見良好な正常粘膜であった。直腸には1~2mm大のΙs・Ιsp型ポリープが多発していた。現症は顔面の頬部と額に直径1mm大の丘疹を多発して認め、手掌、足底に角化性丘疹を多発して認めた。頭部・胸腹部造影CT検査では異常所見なく、甲状腺及び乳房超音波検査では異常所見を認めなかった。家族歴では、父親・父親の同胞5人中3人に胃と大腸のポリポーシスを認め、父親の姉は子宮癌で死亡、この症例の姉に甲状腺腫瘍での手術歴があった。食道に白色調小隆起が多発する遺伝性の消化管ポリポーシスはCowden病の特徴であり、皮膚所見を伴うことからCowden病と診断された。ドックのEGDにおいて、食道にびまん性に多発する白色小ポリープと胃・十二指腸の多発ポリープからCowden病を診断するに至った症例を経験した。Cowden病は消化管以外の他臓器にさまざまな腫瘍性病変を発生する疾患のため、サーベイランスが必要である。文献的考察を含めて報告する。
索引用語 Cowden病, 消化管ポリポーシス