セッション情報 一般演題(初期研修医)

タイトル 43:

CA19-9産生早期大腸癌の1例

演者 大野 瑛明(松山赤十字病院 臨床研修センター)
共同演者 川崎 啓祐(松山赤十字病院 胃腸センター), 蔵原 晃一(松山赤十字病院 胃腸センター), 大城 由美(松山赤十字病院 病理), 尾石 義謙(松山赤十字病院 胃腸センター), 河内 修司(松山赤十字病院 胃腸センター), 岡本 康治(松山赤十字病院 胃腸センター), 永田 豊(松山赤十字病院 胃腸センター), 阿部 洋文(松山赤十字病院 胃腸センター), 徳本 真矢(松山赤十字病院 胃腸センター), 渕上 忠彦(松山赤十字病院 胃腸センター)
抄録 症例は52歳女性。2012年2月頃より血便を認め、近医を受診。大腸内視鏡検査でLSTを指摘され当科紹介受診となった。来院時血液検査でCA19-9 170.4 U/mlと高値であり、原因精査のため胸腹部造影CT、上部消化管内視鏡検査、カプセル小腸内視鏡検査を施行したが、明らかな異常は指摘できなかった。注腸造影検査、大腸内視鏡検査ではS状結腸に長径44mm大の周囲大腸粘膜と同色調で顆粒状を呈した平坦な隆起性病変(LST-G)を認め、NBI拡大観察では広島分類でB type、色素拡大観察ではIV型pit patternであった。伸展は良好、側面変形もなく、腺腫もしくは腺腫内粘膜内癌と診断しESDを施行した。病理所見はWell differentiated tubular adenocarcinoma in adenoma, M, ly(-),v(-), pHM0, pVM0であった。ESD後の血液検査でCA19-9 73.9 U/mlと低下傾向を認めたため、CA19-9高値の原因としてCA19-9産生大腸腫瘍を疑い免疫染色を追加したところ、腫瘍細胞はCA19-9陽性でありCA19-9産生早期大腸癌と診断した。CA19-9産生大腸癌は肝転移をきたしやすく予後不良とされている疾患で、本邦報告例は少ない。さらに報告例のほとんどが進行癌であり、本症例のようなCA19-9産生早期大腸癌症例は極めて稀である。今回我々はCA19-9産生早期大腸癌の1例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 CA19-9, 大腸癌