セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
36:術中心停止・開胸心マッサージから生還しえた進行胃癌術後膵癌の1例
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演者 |
近森 文夫(国吉病院 消化器外科) |
共同演者 |
国吉 宣俊(国吉病院 消化器内科), 岡本 博司(国吉病院 消化器内科) |
抄録 |
術中心停止・開胸心マッサージから生還しえた進行胃癌術後膵癌の1例を経験したので報告する。症例は76歳男性。2年前に進行胃癌にて幽門側胃切除術(B2再建)施行。その後TS1内服を継続していたが、外来フォロー中のCT、エコーにて膵体部膵癌と診断。入院し、手術を施行。腹腔内癒着著明で、剥離に難渋した。膵癌は空腸に浸潤あり空腸部分切除、膵体尾部切除術施行(出血量2006ml、輸血量1680ml)していたが、術中心停止となり、開胸心マッサージを43分間施行。この間、平均動脈圧は24-32mmHg、中心静脈血酸素飽和度は73-79%、1回拍出量係数・中心静脈血酸素飽和度(SVI・CVO2)indexは12-17で推移していた。その後カウンターショックにて心室頻拍ではあったが自己心拍が再開し低血圧状態のまま消化管吻合・閉腹閉胸し、気管切開を追加して帰室し人工呼吸器管理とした。翌朝には洞調律に戻り循環動態は安定化し意識障害も認めなかった。術後膵液漏をきたしたが、保存的に軽快し退院しえた。術後8ヶ月の現在再発所見は認めていない。結語:術中心停止に対してはSVI・CVO2indexを維持すべく開胸心マッサージを続けることが生還の可能性につながるものと思われた。 |
索引用語 |
術中心停止, SVI・CVO2index |