セッション情報 | 一般演題(後期研修医) |
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タイトル | 50:特発性血小板増多症に伴う肝外門脈血栓により食道静脈瘤が出現した一例 |
演者 | 八木 専(愛媛大学大学院医学系研究科先端病態制御内科学) |
共同演者 | 布井 弘明(愛媛大学大学院医学系研究科地域生活習慣病・内分泌学), 今村 良樹(愛媛大学大学院医学系研究科先端病態制御内科学), 竹治 智(愛媛大学大学院医学系研究科先端病態制御内科学), 有光 英治(愛媛大学大学院医学系研究科先端病態制御内科学), 高山 宗三(愛媛大学大学院医学系研究科先端病態制御内科学), 森 健一郎(愛媛大学大学院医学系研究科先端病態制御内科学), 渡辺 崇夫(愛媛大学大学院医学系研究科先端病態制御内科学), 川崎 敬太郎(愛媛大学大学院医学系研究科先端病態制御内科学), 山本 安則(愛媛大学医学部附属病院光学医療診療部), 壷内 栄治(愛媛大学医学部附属病院光学医療診療部), 池田 宜央(愛媛大学医学部附属病院光学医療診療部), 阿部 雅則(愛媛大学大学院医学系研究科地域医療学), 日浅 陽一(愛媛大学大学院医学系研究科先端病態制御内科学), 松浦 文三(愛媛大学大学院医学系研究科地域生活習慣病・内分泌学), 恩地 森一(愛媛大学大学院医学系研究科先端病態制御内科学) |
抄録 | 【症例】56歳女性【主訴】タール便【既往歴】肺炎 特発性血小板増多症【家族歴】特記事項なし【現病歴】平成23年9月9日深夜に冷汗を自覚し、朝までに計7回のタール便があった。同日、近医を受診し上部消化管内視鏡検査にて食道静脈瘤を指摘された。これまで毎年、職場の健診を受診していたが便潜血陽性、肝機能異常を指摘されたことはなかった。9月12日精査加療目的にて当院外来紹介受診し、9月20日入院した。【経過】dynamic CT検査にて総胆管周囲に軟部影がみられ、門脈圧排および肝内血流低下が示唆されたが、総胆管は開存している特異な所見であった。血液検査や造影US、MRI、血管撮影、CT-A/APなど各種画像所見により胆管周囲の軟部影は胆管周囲静脈叢の発達、portal biliopathyと診断した。入院後食道静脈瘤に対しては、内視鏡的食道静脈瘤硬化療法を施行した。また血栓形成した本態性血小板増多症に対してはヒドロキシカルバミドを投与開始し、血栓予防のためにワーファリンを導入した。【結語】portal biliopathyは門脈圧亢進症に関連した胆管異常所見の総称であり、本症例では特発性血小板増多症を背景に門脈血栓が形成されて肝外門脈閉塞症となり、側副血行として胆管周囲静脈叢が発達したと考えられた。特発性血小板増多症の発症率は人口10万人当たり1から2.5人程度とされ、血小板数など病態によっては治療が必要となる場合がある疾患である。またportal biliopathyによって発症した食道静脈瘤に対する治療法は一定の見解が得られていない。今回我々は各種画像検査にて生検や手術など高侵襲な検査や処置をすることなく診断でき、静脈瘤に対して内視鏡治療を施行し経過を追うことが可能であったportal biliopathyの一例を経験したので報告する。 |
索引用語 | 食道静脈瘤, 特発性血小板増多症 |