セッション情報 一般演題

タイトル 24:

当施設におけるテラプレビル併用療法の現状

演者 徳本 良雄(愛媛大学大学院 先端病態制御内科学)
共同演者 渡辺 崇夫(愛媛大学大学院 先端病態制御内科学), 多田 藤政(愛媛大学大学院 先端病態制御内科学), 越智 裕紀(愛媛大学大学院 先端病態制御内科学), 小泉 洋平(愛媛大学大学院 先端病態制御内科学), 廣岡 昌史(愛媛大学大学院 先端病態制御内科学), 阿部 雅則(愛媛大学大学院 先端病態制御内科学), 日浅 陽一(愛媛大学大学院 先端病態制御内科学), 恩地 森一(愛媛大学大学院 先端病態制御内科学)
抄録 【背景】C型肝炎ウイルス1型高ウイルス量に対して、平成23年末よりペグインターフェロン/リバビリンにテラプレビルを加えた3剤併用療法が保険適応となった。この治療法は高いウイルス排除率が期待できる一方、貧血や皮疹など高度の副作用出現が懸念されている。そこで、テラプレビル併用療法の治療効果と副作用を明らかにする目的で当院における治療の現状について検討を行った。【対象】当院において平成24年8月までに3剤併用療法を開始した16例のうち、4週間未満の症例を除く14例(中止例は含む)。治療経過と合併症出現の頻度について検討を行った。【結果】14例の内訳は初回治療5例、再治療9例であった。IL-28B SNPsとコアアミノ酸70番変異の組み合わせはmajor/wild:7、major/mutant:2、minor/wild:3、minor/mutant:2例であった。2例が治療を中止しており、1例は皮疹、好中球減少が強く1回の投与で中止し、1例は皮疹拡大のため中止した。テラプレビルの初期投与量は2250mgが10例(71.4%)、1500mgが4例(28.6%)であった。初期投与量によるRVR達成率には有意な差はなかった。治療初期に中止をした1例を除いて全例で治療中のウイルス陰性化が得られた。RVRは12例(92.3%)で得られ、IL-28B SNPsとRVRの関連はなかった。副作用は皮疹と高尿酸血症、腎機能障害が高頻度にみられた。皮疹は11例(78.6%)に出現した。うち9例は投与2-4日に出現し、1例は投与66日と遅れて出現した。皮疹が出現した全例でステロイド外用剤を使用し、2例がステロイド経口投与を必要とした。高尿酸血症に対してアロプリノールを7例で投与したが、重篤な腎機能障害の出現はなかった。ヘモグロビンの差(前値と4回投与後)はITPA SNPsがMajor:3.1±1.1g/dl、Minor:2.4±0.6g/dlであり差がなかった(p=0.25)。【考察】テラプレビルを用いた3剤併用療法は強い抗ウイルス効果を示し、高いウイルス排除率が期待される。当院の結果では初期投与量の減量はRVRに影響しておらず、副作用の頻度も考慮した初期投与量の設定、減量の方法を確立していく必要がある。
索引用語 C型慢性肝炎, テラプレビル