セッション情報 一般演題(初期研修医)

タイトル 48:

肛門管癌に対する化学放射線療法で完全寛解となり長期生存が得られた1例

演者 日野 佳織(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 消化器内科)
共同演者 梶原 猛史(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 消化器内科), 松本 俊彦(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 消化器内科), 仁科 智裕(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 消化器内科), 西出 憲史(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 消化器内科), 上杉 和寛(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 消化器内科), 浅木 彰則(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 消化器内科), 堀 伸一郎(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 消化器内科), 灘野 成人(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 消化器内科), 井口 東郎(独立行政法人国立病院機構四国がんセンター 消化器内科)
抄録 症例は60歳代、女性。主訴は排便時出血。平成21年9月頃から排便時出血があったが、痔と思い放置していた。平成21年10月下旬に近医のドックで異常を指摘され、大腸内視鏡検査をしたところ肛門管癌と診断され、11月10日に当院紹介された。PET-CT検査、MRI検査で肛門管から直腸Rbにかけて長径約6.5cmの壁肥厚を認め、FDGの集積亢進を伴っていた。膣や肛門挙筋への浸潤が疑われたが、リンパ節転移や遠隔転移は認めなかった。大腸内視鏡検査では、肛門管から直腸Rbにかけて約1/2周性の周堤を伴う潰瘍性病変を認め、生検ではSquamous cell carcinomaであった。以上より、肛門管癌cStage IIと診断した。12月7日より化学放射線療法(5-fluorouracil 1000mg/m2 day1-4, 29-32, Mitomycin 10mg/m2 day1, 29 and Radiation 59.4Gy)を開始した。Grade 2の倦怠感、食欲不振、下痢が遷延したため、day29以降の化学療法は中止したが放射線療法は完遂した。平成22年4月にPET-CT検査、大腸内視鏡検査で完全寛解と判断し、約3年経過した現在も完全寛解を維持している。肛門管癌は化学放射線療法の感受性が高く、永久人工肛門を回避できる可能性が高いという利点から、手術ではなく化学放射線療法が第一選択とされている。今回我々は、肛門管癌に対する化学放射線療法で完全寛解となり長期生存が得られ、永久人工肛門を回避できた1例を経験したので報告する。
索引用語 肛門管癌, 化学放射線療法