セッション情報 一般演題

タイトル 08:

切除例からみたIPMNの治療戦略

演者 西 正暁(愛媛県立中央病院 消化器外科)
共同演者 河崎 秀樹(愛媛県立中央病院 消化器外科), 藤井 正彦(愛媛県立中央病院 消化器外科), 山本 幸司(愛媛県立中央病院 消化器外科), 原田 雅光(愛媛県立中央病院 消化器外科)
抄録 【背景・目的】IPMNの診断・治療方針には未だ多くの検討課題がある。当院でのIPMN切除例を検討し、手術適応と郭清範囲について検討を行った。【対象】2007年3月から2012年8月に当科で手術施行した膵IPMN30例。【結果】年齢は71.4歳。性別は男性19例、女性11例。分枝型11例、混合型14例、主膵管型5例であった。術式はSSPPD 15例、DP 12例、TP2例、middle-preserving pancreatectomy (MPP)1例であった。リンパ節郭清はD0 5例、D1 8例、D2 17例。病理診断はIPMA 15例、IPMC 13例(non-invasive 7例、invasive 6例)、Anaplastic cell carcinoma2例であり、IPMA症例1例にpNETを合併していた。分枝型IPMN 11例中、IPMA 8例、IPMC 2例(invasive 2例)Anaplastic cell carcinoma1例であった。混合型IPMN 14例中、IPMA 5例、IPMC8例(non-invasive 5例、invasive 3例)、Anaplastic cell carcinoma1例であった。1例でpNETを合併していた。主膵管型IPMN 5例中、IPMA 2例、IPMC3例(non-invasive 1例、invasive 2例)であった。リンパ節転移を認めたのは術前よりinvasive IPMCを疑いD2郭清を施行した3例であり、#8,12,13,14,16,17に転移を認めた。D0-1郭清を施行した13例にはリンパ節転移を認めなかった。再発を認めたのは1例のみであり、【結語】IPMN切除例30例中、IPMC 13例、Anaplastic cell carcinoma2例を認めた。主膵管型・混合型ではそれぞれ、60%、64%に癌を認め、主膵管型・混合型については国際診療ガイドラインに準じた手術適応は概ね妥当と思われた。分枝膵管型IPMNでは癌の割合は27%であり、手術適応について、さらなる検討が必要である。郭清範囲についてはIPMCを強く疑う症例ではD2が妥当と考えられた。
索引用語 IPMN, 手術