セッション情報 一般演題(初期研修医)

タイトル 19:

当院における肝細胞癌に対するソラフェニブ使用の現状

演者 小池 奈央(三豊総合病院 臨床研修センター)
共同演者 守屋 昭男(三豊総合病院 内科), 榮 浩行(三豊総合病院 内科), 吉田 泰成(三豊総合病院 内科), 安原 ひさ恵(三豊総合病院 内科), 遠藤 日登美(三豊総合病院 内科), 神野 秀基(三豊総合病院 内科), 加地 英輔 (三豊総合病院 内科), 幡 英典(三豊総合病院 内科), 今川 敦(三豊総合病院 内科), 中津 守人(三豊総合病院 内科), 安東 正晴(三豊総合病院 内科)
抄録 【背景】ソラフェニブは肝細胞癌に対する分子標的薬であり、腫瘍細胞増殖と血管新生に関わるRaf、VEGFR、PDGFRなどの複数のキナーゼを阻害する。2009年5月から本邦でも承認され臨床使用されている。主な副作用として手足症候群などの皮膚症状、高血圧などの循環器疾患、消化器症状などがある。【対象と方法】当院においてソラフェニブを投与された肝細胞癌患者27例(男性22例、女性5例、開始時平均年齢76.3歳)について治療効果と副作用について検討した。効果については判定が可能であった20例をmRECISTを用いて検討した。【結論】27例の内訳はChild-Pugh分類がA 16例、B 11例であり、Stage分類はStage I 2例、Stage II 8例、Stage III 5例、Stage IVa 8例、Stage IVb 4例であった。開始理由はTACE不応が10例で最も多く、次いでTACE不能(6例)、高度脈管侵襲(5例)、肝外病変(5例)、病変不明(1例)であった。初回投与量は400mg/日以上が15例、200mg/日以下が12例であった。Child-Pugh 分類Aでは400mg/日以上が多く、Bでは200mg/日以下で投与開始されている例が多かった。最大腫瘍効果はCR 1例、PR 3例、SD 7例、PD 9例であった。Child-Pugh分類別の病勢制御率はAでは46%(6/13例)、Bでは71%(5/7例)であった。投与量別の病勢制御率では400mg/日以上で45%(5/11例)、200mg/日以下で67%(6/9例)であった。副作用は主なものとして、手足症候群48%(13例)、発疹19%(5例)、高血圧11%(3例)、下痢26%(7例)、食欲不振33%(9例)、肝性脳症26%(7例)、肝不全19%(5例)、消化管出血7%(2例)、嗄声15%(4例)であった。Child-Pugh分類別の手足症候群発現率はAで69%(11/16例)、Bで36%(4/11例)であった。投与量別の手足症候群の発現率は400mg/日以上で60%(9/15例)、200mg/日以下で50%(6/12例)であった。【結語】Child-Pugh分類Bの症例では投与量を200mg/日以下で開始されることが多かったが、Child-Pugh分類Aと比べて病勢制御率および副作用発現率に大きな差は認められなかった。Child-Pugh分類 BでもAに劣らない効果を得ることが出来た。
索引用語 Child-Pugh分類, 病勢制御率