セッション情報 一般演題(初期研修医)

タイトル 53:

H.pylori除菌後の経過観察中に認められた0-IIc型高分化型腺癌とIFPの一例

演者 木口 賀之(三豊総合病院 内科)
共同演者 安原 ひさ恵(三豊総合病院 内科), 今川 敦(三豊総合病院 内科)
抄録 症例は83歳男性。2010年10月に他院での人間ドックの胃X線検査で胃体部大弯の透亮像を指摘され、当院を受診した。同年12月に上部消化管内視鏡検査(EGD)を施行し、萎縮性胃炎と多発する過形成性ポリープを認めた。さらに胃体下部後壁大弯の山田IV型ポリープ(大きさ15mm)は頭頂部に発赤が目立ち、太い茎をもっておりInflammatory fibroid polyp(IFP)を疑った。多発過形成性ポリープに対しては、血清H.pylori IgG抗体陽性を認め、本人の希望もあったため除菌療法を施行。除菌成功し、その後経過観察となっていた。2012年1月に経過観察のためEGDを施行したところ、胃体下部の山田IV型ポリープはやや増大し、その他の過形成性ポリープは縮小していた。また別に胃前庭部前壁に0-IIc病変を認め、生検により高分化型腺癌と診断された。同年2月に0-IIc病変に対してESD、山田IV型ポリープに対してEMRを施行した。病理所見では前者はwell differentiated tubular adenocarcinoma、後者はIFPと診断された。H.pylori除菌後の変化として過形成性ポリープは縮小し、0-IIc病変を発見する事ができた。一方IFPは除菌後に増大しEMRにて確定診断することができた。今回我々は、H.pylori除菌後の経過観察中に認められた0-IIc型高分化型腺癌とIFPの一例を経験したため、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 H.pylori, IFP