セッション情報 一般演題

タイトル 25:

当院におけるC型肝炎に対する3剤併用療法の現状

演者 守屋 昭男(三豊総合病院 内科)
共同演者 榮 浩行(三豊総合病院 内科), 吉田 泰成(三豊総合病院 内科), 安原 ひさ恵(三豊総合病院 内科), 遠藤 日登美(三豊総合病院 内科), 神野 秀基(三豊総合病院 内科), 加地 英輔(三豊総合病院 内科), 幡 英典(三豊総合病院 内科), 今川 敦(三豊総合病院 内科), 中津 守人(三豊総合病院 内科), 安東 正晴(三豊総合病院 内科)
抄録 【目的】難治性のC型慢性肝炎に対してテラプレビルを含む3剤併用療法が保険適応となり、SVR率のさらなる向上が見込まれるが、ペグインターフェロン+リバビリン併用虜法以上の貧血や重症の皮膚障害といった有害事象の発現など問題も多い。テラプレビルの投与量は先行する欧米においての治療と同様に2250 mg/dayとされているが、これまでは明らかではなかった高尿酸血症や腎機能障害が本邦での治療において新たに認められている。一般的な欧米人と比較し体重が低い日本人においてはテラプレビル 2250 mg/dayの投与は相対的に過量となり、有害事象の発現や重症化に繋がる可能性も考えられ、今後さらなる使用経験の蓄積が望まれる。【方法】当院にてC型肝炎に対する3剤併用療法(テラプレビル+ペグインターフェロンα2b+リバビリン)が開始された11例(男性8例、女性3例、治療開始時平均年齢59.9歳)を対象とした。テラプレビルは全例 1500 mg/day、分3で開始し、現時点における治療経過や有害事象について検討した。【成績】現時点で8例が4週以上治療が継続されているが、いずれの症例においても治療開始4週までにHCV-RNAの陰性化が得られた。12週間のテラプレビル投与が完遂された6例中3例において、テラプレビルが1000 mg/dayへ減量されていた。高尿酸血症は7例で認められ、追加の薬物加療を要した。血清クレアチニンの上昇は1例で認められたが、テラプレビルを1000 mg/dayに減量したところ、改善が認められた。皮膚有害事象としてはgrade 1が5例に、grade 2が2例に認められた。grade 3の皮膚有害事象については2例に認められ、うち一例でテラプレビル投与が中止されたが、ペグインターフェロン+リバビリンについては継続が可能であった。また、1例が精神症状のため開始後1週間で治療が中止された。【結論】現時点でテラプレビルの1500 mg/dayへの減量投与にて、治療経過は概ね良好と考えられるが、最終的なSVR率の評価については今後の検討を要する。
索引用語 テラプレビル, 減量投与