セッション情報 一般演題

タイトル 17:

膵管癒合不全を伴った膵・胆管合流異常、先天性胆道拡張症の1例

演者 山上 隆司(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科)
共同演者 横田 智行(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科), 武智 俊治(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科), 川村 智恵(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科), 田中 孝明(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科), 佐々木 由子(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科), 怱那 茂(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科), 丹下 和洋(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科), 上甲 康二(松山赤十字病院 肝臓・胆のう・膵臓内科), 黒田 陽介(松山赤十字病院 外科), 丸山 晴司(松山赤十字病院 外科), 西崎 隆(松山赤十字病院 外科)
抄録 【症例】41歳、女性【主訴】右季肋部痛【既往歴】なし【現病歴】24年7月3日から右季肋部痛を生じるようになった。近医を受診し急性膵炎の疑いを指摘され入院した。同院でのCT、MRI、ERCPにて先天性胆道拡張症(戸谷分類 type Ia)、膵・胆管合流異常と診断され、手術目的で当院に転院した。【入院後経過】初診時、右季肋部に圧痛あり、また胆道系酵素、膵酵素の上昇が見られた。EUSにて胆管壁は全周性に肥厚し、胆嚢内には数mm大のポリープが複数見られた。再度のERCPにて先天性胆道拡張症(戸谷分類 type Ia)、膵・胆管合流異常に加えて、膵管癒合不全が見られた。副乳頭から背側膵管にERPDチューブを、主乳頭から総胆管にERBDチューブを留置した。これらの内視鏡的ドレナージによって食後に生じることの多かった右季肋部痛は改善し摂食が可能になった。症状および検査結果が改善したため8月8日にいったん退院した。再入院後外科に転科し9月14日に肝外胆道切除、胆道再建の分流手術が行われた。【結語】膵管癒合不全はERCP施行患者で0.7~3.0%、膵・胆管合流異常は0.9~1.9%の頻度と報告されており、両者の併存は非常に稀であり報告例も少ない。また両者が併存した場合、膵炎の併発は少ない傾向にあるが、本症例では膵炎症状が診断のきっかけとなった。膵管癒合不全と膵・胆管合流異常の併発について文献的考察を加えて報告する。
索引用語 ERCP, ドレナージ