セッション情報 一般演題

タイトル 46:

化学療法が奏効した食道神経内分泌癌の1例

演者 小幡 善保(市立大洲病院)
共同演者 今峰 聡(市立大洲病院), 中西 公王(市立大洲病院), 谷口 嘉康(市立大洲病院)
抄録 症例は77才女性。「食べ物が胸につかえる」との訴えで、平成24年3月9日上部消化管内視鏡検査を施行した。下部食道に1/3周性で長軸方向に4~5cmにわたる隆起性病変を認めた。腫瘍は粘膜下腫瘍様に発育しており潰瘍をみとめた。腫瘍は、免疫組織学的LCA陰性、chromografin A陽性、CD56陽性で、neuroendocrine carcinomaと診断した。CTでは食道周囲、上腸間膜動脈周囲を中心にリンパ節は著明に腫大しており、肝転移、肺転移も疑われた。Stage4bと診断し、CBDCA+ETP療法を開始した。1コース終了後、内視鏡検査では原発部位は正常粘膜に覆われたわずかな隆起を残すのみとなっており、CTでは原発巣は検出できず、リンパ節は著明に縮小、転移巣も明らかに縮小していた。4コース終了後の内視鏡検査では食道病変は縮小した状態が保たれており、CTでは転移巣が消失していた。治療開始から22週現在、発病前と変わらないADLが保たれており、脱毛以外の明らかな副作用は認めていない。食道神経内分泌癌はまれな疾患で有効な治療法が確立されておらず、化学放射線療法が有効であるとの報告が多い。今回は個人的な諸事情、社会的背景から化学療法単独での治療を選択し、一定の効果が得られた症例を経験したので、若干の考察を加えて報告する。
索引用語 食道神経内分泌癌, 化学療法