セッション情報 一般演題(初期研修医)

タイトル 52:

食道粘膜下血腫の1例

演者 小田 眞由(松山市民病院)
共同演者 野村 佳克(松山市民病院), 小川 明子(松山市民病院), 中原 弘雅(松山市民病院), 神野 亜希子(松山市民病院), 木阪 吉保(松山市民病院), 田中 良憲(松山市民病院), 村上 信三(松山市民病院), 水上 祐治(松山市民病院)
抄録 症例は80歳代男性。主訴:少量の吐血・前胸部痛。既往歴:62歳 胃癌による胃全摘術。64歳 多発性脳梗塞・高血圧。65歳 前立腺肥大症。現病歴:多発性脳梗塞に対して抗血小板剤内服中。数週間前から非常に熱いものを平気で飲めていたようで、家人が心配していた。平成24年5月夕食時に魚骨が刺さったような感じがあり、その際胸部不快感が強く嘔吐したところ、嘔吐物に新鮮血の混在が認められた。翌日近医耳鼻科受信し下咽頭に異常なく近医内科紹介。食道異物疑いにて当院消化器内科に紹介となった。上部消化管内視鏡にて胸部食道上部から下部にかけて右壁中心に3分の1周をしめる粘膜下隆起を認めた。表面は上皮で覆われ、一部黒色調になっていた。CTでも同様の部位に造影効果を認めない食道壁の腫脹がみとめられた。これらの所見より食道粘膜下血腫と診断し、絶食・PPI投与で加療した。PPI投与開始後7日目の上部消化管内視鏡では粘膜下隆起は消失し上皮の欠損と潰瘍化を認めた。42日目には潰瘍は上皮に覆われ瘢痕化した。食道粘膜下血腫の原因として内視鏡検査やCTでは明らかな魚骨などの異物は確認できなった。今回私たちは食道粘膜下血腫の1例を経験した。文献的考察も含め報告する。
索引用語 食道粘膜下血腫, 吐血