セッション情報 一般演題(後期研修医)

タイトル 04:

当院における術後再建腸管症例に対するERCPの検討

演者 兼光 梢(恩賜財団 済生会今治病院 内科)
共同演者 宮池 次郎(恩賜財団 済生会今治病院 内科), 村上 貴俊(恩賜財団 済生会今治病院 内科), 上原 貴秀(恩賜財団 済生会今治病院 内科), 中西 征司(恩賜財団 済生会今治病院 内科), 長谷部 昌(恩賜財団 済生会今治病院 内科), 大本 昌樹(恩賜財団 済生会今治病院 内科), 堀池 典生(済生会今治第2病院)
抄録 【目的】消化管術後症例はVater乳頭への内視鏡到達が難しく、検査、治療が困難な場合が多い。近年はバルーン式内視鏡の開発などにより、各々の施設で術後症例に対しても積極的に内視鏡的アプローチが試みられている。当院ではRoux-en-Y(以下、R-Y)再建術後や、Billroth-II(以下B-II)再建術後に対して、PCFなどの直視型スコープに先端キャップを装着し施行している。それにより比較的良好なERCP関連処置を行えており、その有用性について検討したので報告する。【対象と方法】2007年8月から2012年8月までの5年間に当院でERCPを試みた術後再建腸管症例の28症例、76件について到達率、挿管成功率、処置成功率などについて検討を行った。男性21人、女性7人。疾患の内訳は28例中、肝内結石 1例、総胆管結石 19例、悪性腫瘍による閉塞 7例、良性狭窄 1例であった。術式の内訳はR-Y 9例、B-II 14例、胆管空腸吻合 4例、SSPPD 1例であった。【結果】到達率は86.8%(66/76)であり、到達例中の挿管成功率は92.4%(61/66)、うち処置成功率は85.2%(52/61、1例は処置の必要なし)であった。1例は開腹補助下でESTおよび採石が成功した。76検査全件で偶発症は発生しなかった。【考察】従来、内視鏡的アプローチが困難とされた術後再建腸管に対するERCPは現在積極的に施行されており、低侵襲な膵胆道系の検査、治療を行うことを可能としている。しかし未だ完遂できない症例も存在しており。バルーン式小腸内視鏡なども症例に合わせて導入し、内視鏡機器や処置具の開発により、更なる成績の向上を目指したいと考える。
索引用語 術後胃, ERCP