セッション情報 一般演題(後期研修医)

タイトル 34:

術前に敗血症・DICを発症し、軽快後に根治手術を施行しえた胆嚢癌の1例

演者 大畠 将義(愛媛県立中央病院 消化器外科)
共同演者 西 正暁(愛媛県立中央病院 消化器外科), 山本 幸司(愛媛県立中央病院 消化器外科), 藤井 正彦(愛媛県立中央病院 消化器外科), 原田 雅光(愛媛県立中央病院 消化器外科), 吉山 広嗣(愛媛県立中央病院 消化器外科), 河崎 秀樹(愛媛県立中央病院 消化器外科), 喜安 佳人(愛媛県立中央病院 消化器外科), 宇都宮 大貴(愛媛県立中央病院 消化器内科), 清水 祐宏(愛媛県立中央病院 消化器内科)
抄録 症例は69歳男性。55歳時に胃癌、胃全摘の既往あり。前日昼からの腹痛を主訴に当院受診。血液生化学検査ではWBC13450/μl・HGB8.8g/dl・PLT21.2×104/μl・T-Bil3.2mg/dl・AST4325U/l・ALT1650U/l・ALP1400U/l・LDH3213U/l・CRP2.72mg/dl・プロカルシトニン297.5ng/ml・PT64.9%・APTT24.8秒・FDP113.0μg/ml・Dダイマー51.0μg/ml・AT3 131.1%であった。全身CTで胆嚢頚部から底部の広い範囲に造影効果を伴う腫瘤性病変認めたため胆嚢癌が疑われた。さらにUP門脈内血栓、左肝梗塞所見を認めた。急性肝障害・腎障害・DIC、胆嚢癌の診断で当院消化器内科に緊急入院した。また入院時の血液培養でE.coliを検出した。抗生剤治(MEPM)・DIC治療(トロンボモジュリン)で保存的に治療を開始し、一時HGB6.0g/dl・BUN115.3mg/dl・CREA7.62mg/dl・PLT5.9×104/μlと増悪所見認めるも徐々に状態は改善し、第41病日にリハビリ目的に近医に転院した。今回、手術目的に再入院し、胆嚢癌に対し肝S4a+S5切除・胆嚢摘出術、リンパ節郭清施行した。術中所見で肝外側区域には萎縮はあるが梗塞所見は認めず、胆嚢は著明に腫大し腫瘍により緊満するが漿膜面や周辺臓器に明らかな浸潤は認めなかった。また胆嚢管断端迅速診は陰性であり肝外胆管切除は施行せず。術後合併症なく経過し、術後14日目に退院した。最終診断は胆嚢癌pT2N0M0 fStage2であった。術前に敗血症・DICを発症し、軽快後に根治手術を施行しえた胆嚢癌の1例を経験した。同様の報告はこれまでにされておらず、報告する。
索引用語 胆嚢癌, 敗血症