セッション情報 一般演題

タイトル 06:

外傷性膵損傷に伴う巨大膵嚢胞に対し内視鏡的経胃膵嚢胞ドレナージ術が奏功した一例

演者 辻 枝里(高知医療センター 消化器内科)
共同演者 森下 佐織(高知医療センター 消化器内科), 山崎 美樹(高知医療センター 消化器内科), 石川 紋子(高知医療センター 消化器内科), 宇賀 公宣(高知医療センター 消化器内科), 大西 知子(高知医療センター 消化器内科), 山田 高義(高知医療センター 消化器内科), 森田 雅範(高知医療センター 消化器内科)
抄録 【症例】29歳女性【主訴】腹痛【現病歴】2012年6月、腹部に暴行を受けた後より腹痛持続するため前医受診。CTにて巨大膵嚢胞認め、急性膵炎の診断にて精査加療目的に当院紹介となる。【既往歴】特記事項なし。【生活歴】喫煙歴なし、飲酒歴6合/週×9年。【身体所見】体温37.1℃、血圧113/68mmHg、脈拍68/分、上腹部に圧痛を伴う膨隆あり、腹部全体に圧痛あり、反跳痛あり。【入院時検査】WBC 8240/μl、Hb 7.9g/dl、Plt 69.1×10 4/μl、ALB 3.4g/dl、LDH 344IU/l、BUN 6.5mg/dl、CRE 0.35mg/dl、P-AMY 1188IU/l、CRP 6.24mg/dl。造影CTでは膵はびまん性に腫大し、12cm大の巨大嚢胞を伴っていた。骨盤腔内には腹水貯留しており、腸間膜はびまん性に不均一濃度上昇を認めた。【経過】入院後、絶食・安静・点滴加療を開始し、第7病日に内視鏡的経胃膵嚢胞ドレナージ術施行し、同時に経鼻持続ドレナージチューブも留置した。術翌日に発熱認めるも、徐々に症状軽快し、膵嚢胞は著名に縮小した。第17病日にERP施行。膵頭部主膵管に狭窄認め、ガイドワイヤー通過が困難であり検査断念し、経鼻持続ドレナージチューブ抜去し検査終了した。第18病日より食事再開し徐々に食事量を上げるも、再度腹痛・発熱・膵酵素上昇を認めた。ドレナージチューブ閉塞が疑われ、第23病日 内視鏡的にドレナージチューブを追加留置した。以後、食事量増量にて膵炎症状再燃認めたが 保存的加療にて軽快し、第42病日に退院した。外傷性膵損傷に伴う巨大膵嚢胞に対し内視鏡的経胃膵嚢胞ドレナージ術が奏功した症例を経験したので報告する。
索引用語 膵嚢胞, FNA