セッション情報 一般演題(後期研修医)

タイトル 38:

当センターにおける胃MALTリンパ腫の検討

演者 徳本 真矢(松山赤十字病院 胃腸センター)
共同演者 岡本 康治(松山赤十字病院 胃腸センター), 蔵原 晃一(松山赤十字病院 胃腸センター), 大城 由美(松山赤十字病院 病理), 尾石 義謙(松山赤十字病院 胃腸センター), 河内 修司(松山赤十字病院 胃腸センター), 川崎 啓祐(松山赤十字病院 胃腸センター), 永田 豊(松山赤十字病院 胃腸センター), 阿部 洋文(松山赤十字病院 胃腸センター), 渕上 忠彦(松山赤十字病院 胃腸センター)
抄録 当センターにおける胃MALTリンパ腫の検討【目的】胃MALTリンパ腫の臨床的特徴を明らかにすること。【対象と方法】最近8年7ヶ月間に当センターで上部消化管内視鏡を施行して病理学的に胃MALTリンパ腫と診断した41症例を対象とし、その臨床像を遡及的に検討した。Wothersppon Grade 4以上をMALTリンパ腫と定義した。【結果】平均年齢は65.4歳で男性21例、女性20例であった。臨床病期(Lugano国際分類)はStageIが38例 (92.7%)、StageII1が2例(4.9%)、StageIVが1例(2.4%)であった。肉眼型(八尾分類)は表層拡大型38例(92.7%)、腫瘤形成型3例(7.3%)、巨大皺壁型0例であった。H.pylori (HP)感染率は73.2%(41例中30例)であった。API12-MALT-1(以下MALT1)はHP陰性6例で検索し、陽性4例、陰性2例であった。治療はHP除菌療法が34例(83.0%)に施行されており、リツキシマブが8例、放射線療法は8例、化学療法(CHOP療法など)は6例、外科的切除は2例であった。観察期間は平均15.1ヵ月(1~48ヵ月)で、予後は30例でCR、4例でPR、4例は不明、3例は効果判定が未であった。CR症例のうち、HP除菌療法のみでCRに至った症例は16例(39.0%)であった。1例はHP除菌によりCRとなったが、再発を認めた。この症例は化学療法を追加するも白血化し死亡した。また胃MALTリンパ腫41例をHP陽性例(30例)とHP陰性例(11例)に分け比較検討したが、年齢、性、病期、肉眼型、予後に差を認めなかった。【結論】自験胃MALTリンパ腫症例の予後は概して良好であったが、少数例ながら予後不良の症例もあり、今後、HP除菌療法のみでCRに至らない症例やMALT1陽性症例を蓄積して検討する必要があると考えた。
索引用語 MALTリンパ腫, H.pylori