セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 54:当院における絞扼性イレウス手術症例の検討 |
演者 | 野上 明子(高松赤十字病院 消化器内科) |
共同演者 | 野田 晃世(高松赤十字病院 消化器内科), 上田 祐也(高松赤十字病院 消化器内科), 宮本 由貴子(高松赤十字病院 消化器内科), 吉岡 正博(高松赤十字病院 消化器内科), 石川 哲朗(高松赤十字病院 消化器内科), 小川 力(高松赤十字病院 消化器内科), 松中 寿浩(高松赤十字病院 消化器内科), 玉置 敬之(高松赤十字病院 消化器内科), 柴峠 光成(高松赤十字病院 消化器内科) |
抄録 | 【目的】イレウスは日常診療において一般的な疾患であるが、その病態は多様であり、治療法の選択には時に苦慮する。その中でも絞扼性イレウスは緊急手術の適応であるが、診断基準をめぐり議論されことが多く早期診断が困難な場合がある。今回は当院での緊急手術症例の解析を含め、絞扼性イレウスの有効な診断法について検討した。【方法】2010年8月1日~2012年7月31日の2年間に絞扼性イレウスと術前診断され手術を施行された41例を腸管切除群(A群)15例と非腸管切除群(B群)26例に分け、初診時の患者背景、症状、理学所見、血液検査所見、画像所見、手術所見について検討した。【結果】男女比は両群ともに女性が多く、平均年齢はA群が69.2歳、B群が74.8歳であった。病院受診時間帯は、A群の73%、B群の42%が時間外受診であり、来院~手術決定までにかかった平均時間はA群が6.9時間、B群が4.4時間であり、A群が長い傾向があった。手術歴のない症例はA群で26.7%、B群で7.7%であった。嘔吐は、A群の57.7%、B群の60%で認められ、腹膜刺激症状はA群の20%、B群の15.4%で陽性であった。血液検査所見はWBC、CRP、CK、LDH、PH、pCO2について検討したが、両群ともに軽微な異常に留まるのみであった。画像所見ではA群の80%、B群の88.5%に腹水が認められた。絞扼性イレウスの術前診断の正診率は全体で90.2%であった。【結論】病院受診をしてから、絞扼性イレウスと診断し手術決定までに時間のかかった症例は、手術時に腸管切除を要する傾向があった。初診時の症状、理学所見、血液検査所見のみでは絞扼性イレウスを診断することは困難であり、強い腹痛を認めた場合には、時間外でも初期対応をした医師が積極的に腹部エコーや造影CTでの画像評価を行い、絞扼性イレウスを疑って繰り返し病態を評価することが早期治療につながり、腸管切除を回避できる可能性があると考えられた。 |
索引用語 | 絞扼性イレウス, 手術 |