セッション情報 一般演題

タイトル 23:

当院におけるC型肝炎に対する3剤併用療法の現状

演者 谷 丈二(香川大学医学部消化器神経内科)
共同演者 出口 章広(香川大学医学部消化器神経内科), 三村 志麻(香川大学医学部消化器神経内科), 野村 貴子(香川大学医学部消化器神経内科), 三好 久昭(香川大学医学部消化器神経内科), 米山 弘人(香川大学医学部消化器神経内科), 正木 勉(香川大学医学部消化器神経内科)
抄録 インターフェロン(IFN)、リバビリン(RBV)に続く、新しい抗ウイルス剤Telaprevirがわが国でも認可され、C型肝炎の抗ウイルス療法はあらたなステージに入った。 Telaprevir/PEG-IFN/RBVの3剤併用療法12週間+PEG-IFN/RBV12週間の治療では、24週間と従来のPEG-IFN/RBV療法の半分の治療期間で、初回治療例の著効率が48%から73%に向上し、また、 前治療再燃例、IL-28B遺伝子型major例では90%を超える高い著効率が得られている。一方、3剤併用療法の難治はIL-28B遺伝子型non-major例、前治療無効例で、これにHCVコアアミノ酸70の変異が加わると、さらに難治となることがわかった。 すなわち、3剤併用療法ではホスト因子とウイルス因子から治療効果の予測が高い精度で可能となった。現在、実際臨床の場では皮膚障害・貧血による副作用が問題となっている。当院では、現在2012年8月まで18例の患者に3剤併用療法を導入している。18例の内訳は、男女比は10:8で、年齢60±10.3(34-71)、体重62±15.8(43-106)、テラプレビル投与開始量は2250/1500/1000で10/7/1、前治療はVirgin/PR/NRで8/7/3、IL28B はTT/TG or GG(16例)で12/4、Core70はWild/mutant(17例)で11/6、 ITPA CC/CA or AA(16例)で 14/2例であった。薬剤減量が必要となった貧血は、18例中11例で薬剤減量までの期間は 29±20.2(9-64)日でテラプレビルを減量・中断した症例は2例、3剤中止となった症例は1例であった。皮膚障害に対しては、あらかじめ3剤開始時からbepotastine20mgの内服を行い、18例中10例で皮疹を認め、Grade1が2例、Grade2が4例、Grade3が3例で、ステロイド内服・塗布にて改善、テラプレビル中断は2例で全例回復し治療継続できた。薬疹出現までの期間は6.55±36(2-105)日であった。また、3剤併用が原因と思われる肝性脳症が2例あり、うち1例は治療中止となった。尿酸値上昇に対してはアロプリノール内服にて全例回復した。テラプレビルは副作用の出現の多い薬剤であり、致死的な貧血を認めた1例の報告を加え提示する。
索引用語 あああ, あああ