セッション情報 |
シンポジウム1「消化癌治療のパラダイムシフト 肝胆膵分野」
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タイトル |
EUS-guided hepaticogastrostomy(EUS-HGS)における一期的Metallic stent留置術の検討
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演者 |
後藤 大輔(川崎医科大学 総合内科学2(消化器)) |
共同演者 |
西野 謙(川崎医科大学 総合内科学2(消化器)), 末廣 満彦(川崎医科大学 総合内科学2(消化器)), 川中 美和(川崎医科大学 総合内科学2(消化器)), 河本 博文(川崎医科大学 総合内科学2(消化器)) |
抄録 |
【背景】近年,経乳頭的胆道ドレナージ(EBD),経皮経肝的胆道ドレナージ(PTBD)が困難な切除不能中下部悪性胆道狭窄例に対し,超音波内視鏡ガイド下胆道ドレナージ術(EUS-guided biliary drainage:EUS-BD)の有用性の報告が増加している.当院では2011年1月以降,このような症例に対し一期的に経胃経肝的にMetallic stent(MS)の留置を行っており,今回はその有用性と安全性を検討した.【対象・方法】2011年1月から2012年8月までの期間において当院でEUS-HGSを施行した4例を対象とした.平均年齢は74.3(65-80)歳.EUS-HGSは以下の方法で行った.まず,電子コンベックス型超音波内視鏡にて経消化管的に拡張した肝内胆管を観察し,19G穿刺針にて穿刺した.穿刺後はスタイレットを抜去し,少量の造影剤にて胆管を造影した後,ガイドワイヤーを胆管内へ挿入し,Uneven Double Lumen Catheter(UDC:PIOLAX社製)にて穿刺孔を拡張した.拡張後は胃壁と肝実質間に空間を作らないように留意しつつfull covered typeのMSを一期的に留置した.MS留置術の成功率,臨床的有効率,ドレナージ効果,合併症を検討した.【結果】対象疾患は肝門部胆管癌が2例,中下部胆管・十二指腸浸潤を伴う胆嚢癌2例であった.全例で胆管炎を発症していた.平均観察期間は93(15-261)日. EUS-HGSは全例で成功した(手術成功率100%).全例で72時間以内に臨床症状の改善を認めた(臨床的有効率100%).ドレナージ前後のT.bil平均値は13.3(7.3-18.8)mg/dl,3.2(0.7-6.1)mg/dlであった.術後早期の合併症は認めなかったが,2例でステントの逸脱を認めた.しかし,どちらも経瘻孔的にステントの再挿入可能であった.【結語】EBD,PTBDが困難な切除不能中下部悪性胆道狭窄例に対しEUS-HGSは安全かつ有用な手技であり,積極的に適応可能と考える. |
索引用語 |
EUS-guided hepaticogastrostomy, EUS-BD |