セッション情報 中国支部研修医奨励賞(卒後2年目迄)

タイトル

心室細動後に発症した急性膵炎の一例

演者 孝田 博輝(鳥取大学医学部附属病院卒後臨床研修センター)
共同演者 池淵 雄一郎(鳥取大学医学部機能病態内科学), 斧山 巧(鳥取大学医学部機能病態内科学), 川田  壮一郎(鳥取大学医学部機能病態内科学), 澤田 慎太郎(鳥取大学医学部機能病態内科学), 今本 龍(鳥取大学医学部機能病態内科学), 林 暁洋(鳥取大学医学部機能病態内科学), 武田 洋平(鳥取大学医学部機能病態内科学), 安部 良(鳥取大学医学部機能病態内科学), 松本 和也(鳥取大学医学部機能病態内科学), 河口 剛一郎(鳥取大学医学部機能病態内科学), 原田 賢一(鳥取大学医学部機能病態内科学), 八島 一夫(鳥取大学医学部機能病態内科学), 村脇 義和(鳥取大学医学部機能病態内科学)
抄録 症例は70代男性。膜性増殖性糸球体腎炎にて腎臓内科へ通院中であった。X月10日に頭痛が出現し、救急外来を受診。その際に心拍数30/minと完全房室ブロックを認めたため、循環器内科へ緊急入院となった。同日、夜間に心室細動を認め心肺停止状態となる。心臓マッサージ施行後、電気的除細動にて洞調律に改善し、翌日に恒久的ペースメーカー移植術が施行された。術後より腹痛が出現、血液検査にて膵酵素上昇を認め当科へ紹介となった。膵ダイナミックCTにて膵体尾部の腫大および同部の造影不良域を認めた。また脾梗塞を認め、脾動脈内に血栓を疑う所見を認めた。造影不良域は1/3以下であったが、結腸間膜根部に炎症が波及しておりCT grade 2、重症度判定基準ではLDH、CRP、年齢が該当し、重症急性膵炎として、補液、メシル酸ナファモスタット、ウリナスタチン、イミペネム投与にて治療を行った。第7病日でのCT再検では後腎傍腔までおよぶ仮性嚢胞を認めた。症状は徐々に改善し第19病日より食事を開始。第47病日に退院となった。本症例における膵炎の成因としては心肺蘇生中の膵外傷、あるいは薬剤性などが鑑別として推測されるが、経過から心室細動による心肺停止が膵臓の循環障害、虚血を生じた可能性が考えられた。我々が医学中央雑誌にて検索し得た範囲においては心室細動と急性膵炎を関連付ける報告は少ないため考察を加えて報告する。
索引用語 急性膵炎, 心室細動