セッション情報 中国支部研修医奨励賞(卒後2年目迄)

タイトル

S状結腸癌腹膜播種により生じた急性虫垂炎の一例

演者 清家 圭介(岡山市立市民病院 消化器センター)
共同演者 西村 守(岡山市立市民病院 消化器センター), 光岡 晋太郎(岡山市立市民病院 消化器センター), 佐藤 雄紀(岡山市立市民病院 消化器センター), 片山 貴(岡山市立市民病院 消化器センター), 難波 次郎(岡山市立市民病院 消化器センター), 羽井佐 実(岡山市立市民病院 消化器センター)
抄録 【症例】80代男性【主訴】腹痛【現病歴】平成20年9月頃より便秘出現し、便潜血陽性もあり下部消化管内視鏡検査施行したところ、亜全周性の狭窄を伴う平成S状結腸に2型の腫瘍を認め、S状結腸癌と診断し、平成20年10月結腸部分切除術、D3廓清を施行した。術後診断はColon cacer. S 2型 35×30mm 7/8周性 SE N2 H0 P0 M0 stageIIIbであった。その後、カペシタビンでの術後補助化学療法継続していたが、平成23年1月PET-CTにて骨盤内再発を認めBev+XELOX療法を開始した。その後腫瘍マーカーの上昇、骨盤内再発の増大は認めなかったが、平成24年1月急に腹痛が生じ、当院救急搬送となり、血液検査にて炎症反応の上昇、腹部骨盤CTにて虫垂の腫大を認め、急性虫垂炎と診断し、緊急手術となった。開腹すると後腹膜のS状結腸癌腹膜播種病変が虫垂中央付近に浸潤しており、虫垂は浸潤部で閉塞し腫大しており、虫垂切除を施行した。病理所見では癌の虫垂への浸潤を認め、腹膜播種から虫垂への浸潤が虫垂炎発症の原因と考えられた。【考察】癌の腹膜播種からの虫垂浸潤による虫垂炎の発症は比較的稀であるが、胃癌で最も多く報告されている。本症例は、S状結腸癌腹膜播種の虫垂浸潤により発症した2次性虫垂炎であり、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 虫垂炎, 腹膜播種