セッション情報 一般演題

タイトル

感染性肝嚢胞の1例

演者 岡 寿紀(岡山済生会総合病院 内科)
共同演者 後藤田 達洋(岡山済生会総合病院 内科), 藤井 雅邦(岡山済生会総合病院 内科), 足立 卓哉(岡山済生会総合病院 内科), 關 杏奈(岡山済生会総合病院 内科), 下村 泰之(岡山済生会総合病院 内科), 金藤 光博(岡山済生会総合病院 内科), 齋藤 玄哲(岡山済生会総合病院 内科), 村上 尚子(岡山済生会総合病院 内科), 山本 久美子(岡山済生会総合病院 内科), 伊藤 守(岡山済生会総合病院 内科), 石山 修平(岡山済生会総合病院 内科), 川上 万里(岡山済生会総合病院 内科), 藤原 明子(岡山済生会総合病院 内科), 藤岡 真一(岡山済生会総合病院 内科), 大澤 俊哉(岡山済生会総合病院 内科), 吉岡 正雄(岡山済生会総合病院 内科), 塩出 純二(岡山済生会総合病院 内科), 糸島 達也(岡山済生会総合病院 内科)
抄録 症例は90歳女性。心房細動、慢性心不全にて近医通院中、数日前からの全身倦怠感を主訴に近医受診された。血液検査にてCRP:33.6mg/dlと高度上昇を認め腹部CT、腹部超音波検査(US)にて肝膿瘍が疑われたため、精査目的で当院紹介受診となった。受診時の血液検査にてWBC10520/μl、CRP30.4 mg/dlと炎症反応は高値であった。当院での腹部USでは、肝S2-3に86×68×53mm大のcystic areaを認めた。境界明瞭で隔壁を認め内部は浮遊物や混濁は認めなかった。腹部CT検査では、肝S3に85×59mm大の嚢胞性病変を認め、内部はやや濃度が高く不均一で境界が不明瞭であった。腹部MRIではT1強調像で低信号、T2強調像では高信号の嚢胞性病変が認められたため感染性肝嚢胞と診断し肝嚢胞ドレナージ術を施行、黄色透明排液を認め、その後乳糜様排液を認めた。ドレナージ後には腹部症状は軽快し炎症所見も改善した。肝嚢胞は一般的に無症状に経過し治療を要することは少ない。しかし感染を合併した場合は治療の対象となる。本症例においても肝嚢胞に感染を合併し、抗菌薬投与では改善を認めず、肝嚢胞ドレナージ術施行により感染のコントロールが可能となった。今回我々は感染性肝嚢胞の一例を経験したため、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 肝臓, 嚢胞