| セッション情報 | 一般演題 |
|---|---|
| タイトル | 背景に濾胞性胆管炎様のリンパ濾胞の過形成を認めた中部胆管癌の一例 |
| 演者 | 室 信一郎（岡山大学 消化器内科） |
| 共同演者 | 原田 亮（岡山大学 消化器内科）, 野間 康宏（岡山大学 消化器内科）, 榊原 一郎（岡山大学 消化器内科）, 山本 直樹（岡山大学 消化器内科）, 堀口 繁（岡山大学 消化器内科）, 堤 康一郎（岡山大学 消化器内科）, 加藤 博也（岡山大学 消化器内科）, 岡田 裕之（岡山大学 消化器内科）, 山本 和秀（岡山大学 消化器内科）, 伏見 聡一郎（岡山大学病院 病理診断科）, 八木 孝仁（岡山大学病院 肝胆膵外科） |
| 抄録 | 症例は75歳、男性。心窩部痛を主訴に近医を受診。血液検査にて肝胆道系酵素の上昇、CTにて中部胆管壁肥厚を認め入院。精査目的にてERCPを施行したところ、総胆管結石および中部胆管に壁不整を認め、胆管癌が疑われ、精査加療目的にて当科紹介となった。ERCPを施行したところ、胆管狭窄は認めなかったが、中部胆管に顆粒状の陰影欠損を認めた。IDUSでは上部胆管から下部胆管まで壁肥厚を認め、胆嚢管分岐部付近では最大3mm大の隆起性病変を多数認めた。POCSでは上部胆管から不整隆起を認め、胆嚢管分岐部から下部胆管にかけて多数の乳頭状の隆起性病変を認めた。隆起部の生検組織では、リンパ濾胞のみを認め、悪性所見は得られなかったが、胆管癌を強く疑い、膵頭十二指腸切除を施行した。病理組織では中下部胆管に認めた多発性の隆起はリンパ濾胞の過形成からなり、リンパ組織間に高分化型腺癌の浸潤を認めた。脈管浸潤やリンパ節転移なくpT1N0M0 pStageIであった。濾胞性胆管炎は主に肝門部胆管の限局性狭窄を伴い肝門部胆管癌との鑑別が難しい稀な疾患で、病理学的にPSC、IgG４関連硬化性胆管炎のどちらにも一致しない、顕著なリンパ濾胞と胚中心を伴う密な線維化を呈する。今回我々は、中部胆管癌の背景に濾胞性胆管炎様のリンパ濾胞過形成を認めた一例を経験した。文献的考察を交えて報告する。 |
| 索引用語 | 濾胞性胆管炎, 中部胆管癌 |