セッション情報 一般演題

タイトル

B型慢性肝炎に対するペグインターフェロンα2aの使用経験

演者 小林 知樹(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学)
共同演者 柘植 雅貴(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学), 福原 崇之(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学), 柾木 慶一(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学), 苗代 典昭(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学), 中原 隆志(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学), 本田 洋士(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学), 宮木 大輔(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学), 長沖 祐子(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学), 河岡 友和(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学), 高木 慎太郎(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学), 平松 憲(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学), 今村 道雄(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学), 川上 由育(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学), 兵庫 秀幸(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学), 相方 浩(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学), 高橋 祥一(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学), 茶山 一彰(広島大学病院大学院・分子病態制御内科学)
抄録 【背景・目的】2011年9月より、B型慢性肝炎に対するペグインターフェロン(PEG-IFN)治療が保険適応となり、従来のIFN治療に比べ、HBeのセロコンバージョン率やHBs抗原の消失率の向上が期待されている。本検討では、当院にてPEG-IFN治療を行ったB型慢性肝炎7例の治療成績について検討した。【対象】当院にてB型慢性肝炎に対しPEG-IFN治療を行った7例。年齢の中央値は、38歳。全例がHBV genotype C感染例で、HBe抗原陽性3例。治療前のALTの中央値は94IU/L、HBV DNAは7.2 log copies/mLだった。治療効果は、IFN終了時ならびに終了後6ヶ月のALTおよびHBV DNAにて評価し、ALT<30IU/L、HBV DNA<4 log copies/mLを正常化または陰性化とした。【成績】PEG-IFN治療におけるALT正常化率は、治療終了時57.1%(4/7)、終了後6ヶ月28.6%(2/7)であり、HBV DNA陰性化率は、治療終了時42.8%(3/7)、終了後6ヶ月で28.5%(2/7)だった。そこで、この治療効果の違いを検討するため、IFNの治療効果との関連が報告されているIL28B genotype(rs8099917)を解析したが、IFN治療効果の高いTT群で4例中2例、効果の低いTG群で2例中1例、HBV DNAの低下を認め、治療効果とIL28B genotype間に相関は認められなかった。一方、PEG-IFNの投与量と治療効果について検討したところ、180μg/週群では、4例全例で投与終了時にALTの正常化が得られ、また4例中3例で投与終了時にHBV DNAが2.6未満まで低下した。一方、90μg/週群では、投与終了時のALT正常化やHBV DNA陰性化は得られなかった。さらに180μg/週群のうち、48週間投与を行った2例は、終了6ヵ月後もALTの正常化が持続した。【結論】B型慢性肝炎に対するPEG-IFNα2aの治療効果について検討した。180μg/週の投与群では、従来のIFN治療に比べて、治療終了時のALTの正常化率(100% vs 56.9%)やHBV DNA陰性化率(50% vs 36.9%)が高く、48週間の長期投与を行うことで、治療終了後もALT正常化が維持できる可能性が示唆された。
索引用語 PEG-IFN, B型慢性肝炎