セッション情報 一般演題

タイトル

出血性膵仮性嚢胞に伴い下行結腸から出血をきたした一例

演者 佐々木 順(宇部興産中央病院 消化器科)
共同演者 播磨 陽平(宇部興産中央病院 消化器科), 浦山 直樹(宇部興産中央病院 消化器科), 久野 興子(宇部興産中央病院 消化器科), 松崎 祐子(宇部興産中央病院 消化器科), 佐貫 和俊(宇部興産中央病院 消化器科)
抄録 症例は62歳男性。元来大酒家であったが、H24年5月初旬より腹痛が持続し、飲酒もできなくなっていた。5月18日夕方より腹痛が増悪し当院に救急搬送となった。来院時上腹部中心に圧痛を認め、血液検査上血清アミラーゼ値、リパーゼ値の軽度上昇を認めていた。CT上は膵尾部に内部に高吸収域を伴う53×42mmの嚢胞性腫瘤を認め、口側膵管の拡張、膵石灰化を伴い、嚢胞周囲に炎症波及を認めることから、出血性膵仮性嚢胞を伴う慢性膵炎の急性増悪と診断し、緊急入院となった。入院後、絶食、輸液管理で腹痛は改善したため、5月20日より食事再開したが、食事再開後、徐々に貧血が進行し、6月2日にはHb 6.2g/dlまで低下した。6月6日暗赤色の血便があり、6月7日の大腸内視鏡検査で下行結腸に発赤・びらんを認め、出血源と考えクリッピングを施行した。同部はCT上膵尾部の出血性嚢胞と接しており、穿通が疑われた。6月8日にも再度血便を認め、再度大腸内視鏡検査を行い、内視鏡的止血術を追加した。以後再出血は認めなかったが、出血性膵仮性嚢胞の減圧が必要であると考え、6月19日ERCP施行し、減圧のための膵管ステントを拡張膵管に留置した。その後は再出血なく経過し、7月2日退院となった。以後外来経過観察中だが、再出血なく経過している。膵仮性嚢胞の消化管穿通の報告は散見するものの、下行結腸への穿通の報告はきわめて稀であり、下行結腸への穿通が疑われる症例を経験したため若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 膵仮性嚢胞, 穿通