セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 内視鏡的切除を行った十二指腸乳頭部NETの1例 |
演者 | 影本 賢一(広島大学病院 消化器・代謝内科) |
共同演者 | 小林 賢惣(広島大学病院 消化器・代謝内科), 佐々木 民人(広島大学病院 消化器・代謝内科), 芹川 正浩(広島大学病院 消化器・代謝内科), 神垣 充宏(広島大学病院 消化器・代謝内科), 南 智之(広島大学病院 消化器・代謝内科), 岡崎 彰仁(広島大学病院 消化器・代謝内科), 石垣 尚志(広島大学病院 消化器・代謝内科), 石井 康隆(広島大学病院 消化器・代謝内科), 小酒 慶一(広島大学病院 消化器・代謝内科), 毛利 輝生(広島大学病院 消化器・代謝内科), 吉見 聡(広島大学病院 消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大学病院 消化器・代謝内科), 有廣 光司(広島大学病院 病理診断科) |
抄録 | 【背景】十二指腸に発生するNETの中でも,乳頭部に発生するNETは予後不良とされており,その取扱いには注意を要する.十二指腸乳頭部に発生するNETの内視鏡的治療の報告は少なく,このたび十二指腸乳頭部NETに対し内視鏡的治療を行った症例を経験したので報告する.【症例】45歳,男性.20XX年の検診にて十二指腸乳頭部に粘膜下腫瘍(SMT)様の隆起性病変を指摘され,精査加療目的にて当院入院となった.入院後の内視鏡観察では十二指腸乳頭の肛門側に正常粘膜で覆われた表面平滑な径10mm大のSMT様隆起性病変を認め,病変の口側隆起は十二指腸乳頭までに及んでいた.腹部CTでは十二指腸下行脚に突出し造影効果のある腫瘤として描出され,明らかな遠隔転移,リンパ節腫大は指摘できなかった.EUSでは内部不均一な約10mm大の低エコー腫瘤として描出され,明らかな十二指腸筋層への浸潤は指摘できなかった.ERCPでは主膵管,胆管に異常所見を認めず,括約筋の機能は保たれていた.組織学的診断目的にEUS-FNAを試みるも腫瘤内への穿刺が困難であった.そのため,診断的治療目的にて内視鏡的切除を施行することとした.腫瘤の口側に十二指腸乳頭が存在したため,切除に際し十二指腸乳頭の合併切除を行った.術後経過は良好で,第13病日には退院となった.病理組織学的診断はNeuroendocrine tumor (SM,ly0,v0)で,Ki-67指数は4%であり2010 WHO分類においてNET G2と診断された.根治目的に外科的追加切除を勧めたが本人の同意が得られず経過観察を行うこととなった.現在術後1年経過しているが明らかな再発は認めていない.【考察】内視鏡的治療は外科的治療と比較し低侵襲な治療方法である.治療の選択に際しては詳細な病期診断を行うとともに,特に十二指腸乳頭部近傍に発生したNETの内視鏡的治療に際してはその解剖学的特徴により様々な合併症が起きる可能性があり,習熟した内視鏡的手技が必要である. |
索引用語 | 神経内分泌腫瘍, 内視鏡的治療 |