セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | EUSFNAで診断した嚢胞形成のない膵Solid pseudopapillary neoplasmの若年男性例 |
演者 | 村上 幸一(岡山済生会総合病院) |
共同演者 | 藤井 雅邦(岡山済生会総合病院), 足立 卓哉(岡山済生会総合病院), 後藤田 達洋(岡山済生会総合病院), 下村 泰之(岡山済生会総合病院), 關 杏奈(岡山済生会総合病院), 金藤 光博(岡山済生会総合病院), 斎藤 玄哲(岡山済生会総合病院), 村上 尚子(岡山済生会総合病院), 山本 久美子(岡山済生会総合病院), 伊藤 守(岡山済生会総合病院), 石山 修平(岡山済生会総合病院), 川上 万里(岡山済生会総合病院), 藤原 明子(岡山済生会総合病院), 藤岡 真一(岡山済生会総合病院), 大澤 俊哉(岡山済生会総合病院), 吉岡 正雄(岡山済生会総合病院), 塩出 純二(岡山済生会総合病院), 糸島 達也(岡山済生会総合病院) |
抄録 | 症例は24歳男性。健診で肝機能異常を指摘され、当院外来受診。腹部造影CT検査で、肝には明らかな異常はなかったが膵尾部腫瘍を認め、入院精査となった。血液検査では腫瘍マーカー(CEA、CA19-9、DUPAN-2、Span-1)を含め、異常所見はなかった。腹部USでは、膵体尾部に約35×32×23mm大、内部は膵実質と比較しiso~ややhyper、境界比較的明瞭な腫瘤性病変を認めた。腹部造影CT検査では、約40mm大の徐々に膵実質と同程度にまで造影される嚢胞成分のない腫瘤を認めた。MRIではT1強調で低信号、T2強調で高信号、拡散強調で高信号であった。超音波内視鏡検査(EUS)では、ほぼUSと同様の所見を呈していた。またPET-CT検査では、FDGの異常集積 (SUV Max=6.53)を認め、膵悪性腫瘍を疑う所見であった。画像診断のみでは、診断困難なためにEUS-FNAを施行した。結果、細血管を含む線維血管性の結合織を中心とした、偽乳頭状構造を示す腫瘍であった。免疫染色にてvimentin強陽性、cytokeratin陽性、CD56陽性、CD10陽性、Progesteron Receptor陽性であり、Solid pseudopapillary neoplasm (SPN)と診断した。腹腔鏡下脾温存尾側膵切除を施行し、手術後病理組織ではβ-cateninも陽性であり、SPN(Ki-67 index 1%程度)と最終診断した。術後経過良好なため術後9日目に退院となった。 SPNは分化方向の不明な膵の稀な上皮性腫瘍である。若年女性に多く、腫瘤内部に嚢胞や石灰化を伴う例が多い。本症例は、若年男性に発症し、特徴的な画像所見も認めず、診断困難なSPNの症例であったが、EUS-FNAによって術前診断することができ、腹腔鏡による低侵襲な手術を施行できた。今回我々は若年男性に発生した、非典型的SPNの一例を経験したため、文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 膵Solid pseudopapillary neoplasm, 嚢胞形成 |