セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | スキルス胃癌が穿孔した1例 |
演者 | 西村 守(岡山市立市民病院 消化器センター) |
共同演者 | 光岡 晋太郎(岡山市立市民病院 消化器センター), 酒井 亮(岡山市立市民病院 消化器センター), 寺本 淳(岡山市立市民病院 消化器センター), 庄賀 一彦(岡山市立市民病院 消化器センター), 羽井佐 実(岡山市立市民病院 消化器センター), 小田 和歌子(岡山市立市民病院 病理部), 東 俊宏(岡山市立市民病院 消化器センター) |
抄録 | 【症例】85歳、女性。【主訴】腹痛【現病歴】2012年3月下旬昼頃より急に腹痛が生じ、当院救急外来に救急搬送された。腹部全体に圧痛強く、板状硬であり、血圧は100/78、HR107と軽度頻脈を認めた。腹部CT検査にて大量のfree airと胃壁の肥厚を認めた。汎発性腹膜炎と診断され、緊急手術となった。術中所見では胃は全体硬化し胃体部後壁に3mm大の穿孔を確認、さらに結腸脾弯曲部が浸潤により索状に引き込まれて狭窄していた。スキルス胃癌の後壁穿孔による腹膜炎、腹膜播種、結腸脾弯曲部の浸潤狭窄と診断、穿孔部の局所処置では不十分と判断し、胃全摘術(Roux-en-Y)+結腸部分切除術+胆摘術を行った。病理組織では前庭部後壁中心体部にかけて低分化腺癌のびまん性増殖を認め、肥厚の強い部の口側の癌浸潤部に穿孔を認めた。また、腹膜に播種やリンパ節転移も認めていた。術後全身状態は徐々に改善、食事も摂取できるようになり、化学療法も考慮したが、本人家族が希望されず、退院の運びとなった。胃癌の穿孔は時々見られるものの胃壁が肥厚する傾向のあるスキルス胃癌の穿孔はまれであり、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | スキルス胃癌, 穿孔 |