セッション情報 中国支部研修医奨励賞(卒後2年目迄)

タイトル

出血源同定に難渋した小腸Dieulafoy潰瘍の1例

演者 池内 佳裕(広島大学病院 内視鏡診療科)
共同演者 佐野村 洋次(広島大学病院 内視鏡診療科), 岡 志郎(広島大学病院 内視鏡診療科), 藤野 初江(広島大学病院 消化器・代謝内科), 中野 誠(広島大学病院 消化器・代謝内科), 青山 大輝(広島大学病院 消化器・代謝内科), 亘 育江(広島大学病院 消化器・代謝内科), 金尾 浩幸(広島大学病院 内視鏡診療科), 吉田 成人(広島大学病院 内視鏡診療科), 日山 亨(広島大学 保健管理センター), 上野 義隆(広島大学病院 内視鏡診療科), 伊藤 公訓(広島大学病院 消化器・代謝内科), 北台 靖彦(広島大学病院 消化器・代謝内科), 田中 信治(広島大学病院 内視鏡診療科), 吉原 正治(広島大学 保健管理センター), 茶山 一彰(広島大学病院 消化器・代謝内科)
抄録 消化管出血患者の10~20%程度は初回検査で出血源が同定できず、出血を繰り返すことがある。今回、我々は出血源同定に難渋したが、3回目のダブルバルーン内視鏡 (DBE) にて出血源を同定し、止血処置を施行した小腸出血の1例を経験したので報告する。   症例は80歳代男性。67歳時冠動脈バイパス術後、近医でアスピリン、シロスタゾールを処方されていた。2012年4月黒色便とHb 5.5g/dLの貧血を認め、精査加療目的に当科紹介入院となった。上部消化管内視鏡検査 (GIS)、大腸内視鏡検査 (CS)、カプセル内視鏡 (CE)、DBEを施行したが、明らかな出血源を指摘できなかった。入院後貧血進行なく、退院した。同年5月、再度黒色便とHb 5.2g/dLの貧血進行のため、当科2回目入院となった。造影CT、GIS、CE、DBE施行するも明らかな出血源は指摘されず、入院中に出血を認めなかったため退院となった。同年6月、大量の黒色便あり、当科3回目入院となった。入院当日に緊急で出血シンチを施行し、4時間後の撮影において回腸領域に集積を認めた。DBEで、トライツ靭帯付近にDieulafoy潰瘍を認め、同部位が出血源と診断し、ポリドカノール局注を施行した。以後、現在まで再出血なく貧血も改善し、外来にて経過観察中である。
索引用語 小腸出血, OGIB