セッション情報 | 中国支部専修医奨励賞(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 進行肝細胞癌に対するソラフェニブ初回投与量別の比較検討 |
演者 | 川野 道隆(綜合病院社会保険徳山中央病院 消化器内科) |
共同演者 | 新開 泰司(綜合病院社会保険徳山中央病院 消化器内科), 白澤 友宏(綜合病院社会保険徳山中央病院 消化器内科), 松永 尚治(綜合病院社会保険徳山中央病院 消化器内科), 白井 保之(綜合病院社会保険徳山中央病院 消化器内科), 横山 雄一郎(綜合病院社会保険徳山中央病院 消化器内科), 野原 寛章(綜合病院社会保険徳山中央病院 消化器内科), 近藤 哲(綜合病院社会保険徳山中央病院 消化器内科), 斉藤 満(綜合病院社会保険徳山中央病院 消化器内科) |
抄録 | 【背景】本邦ではソラフェニブ投与による手足症候群など有害事象の出現が多く投与量や投与方法について今後も議論する余地がある。今回当院でソラフェニブを使用した進行HCCを対象に初回投与量別に比較検討を行った。【方法】対象は2009年6月~2012年2月にソラフェニブ投与開始した進行HCC32例。3か月間以上投与可能であった21例に対して初回投与量別に投与期間、全生存期間、総積算量をレトロスペクティブに解析した。【成績】21例の背景肝はC型11例、B型5例、アルコール3例、不明2例。男女比は男20例、女1例。平均年齢71.7歳。Child-Pugh gradeA20例、B1例。前治療歴:あり18例、なし3例。Stageは2:1例、3:10例、4A:8例、4B:2例。初回投与量内訳は800mg群7例、減量群14例。初回投与量は副作用から2010年3月頃より減量投与開始が多くなり、副作用の有無に応じて適宜投与の増減を行った。ソラフェニブ開始後の観察期間中央値は317.6日。効果判定はRECISTに基づいて行い、21例の治療成績はCR0例、PR3例、SD5例、PD10例、評価なし3例。全生存期間中央値は13.8か月。初回投与量別の全生存期間中央値は800mg群11.0か月、減量群15.2か月と減量群で生存期間が長かったが有意差は認めなかった(logrank test,p=0.32)。ソラフェニブの平均投与期間は800mg群8.6か月、減量群11.4か月と減量群で長かったが、有意差は認めなかった(t検定,p=0.53)。平均年齢は800mg群74.6歳、減量群71.3歳で有意差は認めなかった(t検定,p=0.69)。総積算量は800mg群124514mg、減量群144250mgで有意差は認めなかった(t検定,p=0.75)。有害事象による減量・中断までの平均日数は800mg群54.2日、減量群105.4日と減量群で長かったが、有意差は認めなかった(t検定,p=0.25)。【結語】今回の検討において、初回減量群の全生存期間は800mg群と比較し良好な成績が得られていた。有意差は認めなかったが、減量群では有害事象による減量・中断までの日数が長く、全投与期間が長い傾向にあった。開始時投与量の調整を行い、投与期間延長を目指すことが全生存期間に対して重要であると考えられた。 |
索引用語 | ソラフェニブ, 減量投与 |