セッション情報 中国支部専修医奨励賞(卒後3-5年迄)

タイトル

conversion surgeryをおこなったstage IV胃癌の2例

演者 天野 美緒(JA尾道総合病院 消化器内科)
共同演者 小野川 靖二(JA尾道総合病院 消化器内科), 寺岡 雄吏(JA尾道総合病院 消化器内科), 山雄 健太郎(JA尾道総合病院 消化器内科), 今川 宏樹(JA尾道総合病院 消化器内科), 橋本 義政(JA尾道総合病院 消化器内科), 福本 晃(JA尾道総合病院 消化器内科), 飯星 知博(JA尾道総合病院 消化器内科), 平野 巨通(JA尾道総合病院 消化器内科), 花田 敬士(JA尾道総合病院 消化器内科), 天野 始(JA尾道総合病院 消化器内科), 日野 文明(JA尾道総合病院 消化器内科), 福田 敏勝(JA尾道総合病院 消化器外科), 米原 修治(JA尾道総合病院 病理研究検査科)
抄録 【はじめに】StageIV切除不能胃癌に対する標準治療は化学療法である。近年、化学療法の著効によりリンパ節転移や遠隔転移が消失し、切除可能となる症例が報告されるようになってきた。当院でもStage IV胃癌に対して化学療法を行ない、遠隔転移消失を認め、conversion surgeryをおこなった2症例を経験したため報告する。【症例1】60歳代、女性。平成23年6月、嚥下時のつかえ感および頻回嘔吐を主訴に当院紹介受診。上部消化管内視鏡検査で食道胃接合部に3型胃癌を認めた。造影CT、造影MRIにて領域リンパ節腫大、多発肝転移を認めたため、食道胃接合部癌cT3N3aM1 cStage IVと診断し、S-1+CDDPによる化学療法を開始した。5コース終了時の造影MRIにて肝転移巣は消失しており、PET-CTでもリンパ節や肝転移巣に集積を認めなかった。院内キャンサーボードで相談の上、S-1+CDDP+Trastuzumabを2コース追加後、胃全摘術を施行した。【症例2】50歳代、男性。平成23年6月頃より左顎下腫瘤を自覚し、当院耳鼻科紹介された。針生検で印環細胞を認め、消化管精査目的に当科紹介。上部消化管内視鏡検査にて食道胃接合部に3型胃癌を認めた。造影CT、PET-CTにてVirchowリンパ節、左顎下リンパ節、傍大動脈リンパ節転移を認め、食道胃接合部癌 cT2N2M1 cStage IVと診断、S-1+CDDPによる化学療法を開始した。6コース終了時の造影CTではリンパ節縮小しており、PET-CTでは原発巣を含め異常集積を認めなかった。院内キャンサーボードにて相談の上、胃全摘術を施行した。【結語】切除不能胃癌に対してconversion surgeryを施行した報告はまだ少なく、その有効性は確立されていない。今後の胃癌化学療法の発展と、症例の集積および検討が必要であると思われ、若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 conversion surgery, 胃癌