セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 膵転移により閉塞性黄疸をきたした食道小細胞癌の1例 |
演者 | 泉 大輔(島根県立中央病院 消化器科) |
共同演者 | 中瀬 真実(島根県立中央病院 消化器科), 上野 さや香(島根県立中央病院 消化器科), 福田 聡司(島根県立中央病院 消化器科), 三上 博信(島根県立中央病院 消化器科), 沖本 英子(島根県立中央病院 消化器科), 矢崎 友隆(島根県立中央病院 消化器科), 園山 隆之(島根県立中央病院 消化器科), 伊藤 聡子(島根県立中央病院 消化器科), 宮岡 洋一(島根県立中央病院 内視鏡科), 藤代 浩史(島根県立中央病院 内視鏡科), 高下 成明(島根県立中央病院 消化器科), 今岡 友紀(島根県立中央病院 消化器科) |
抄録 | 症例は55歳男性である。2010年8月初旬より咳嗽・つかえ感を自覚していた。9月初旬に近医を受診したところ食道癌を疑われたため当科紹介受診。当院で上部消化管内視鏡検査を行ったところ門歯から25-35cmに潰瘍性病変を認めた。生検で小細胞癌の診断となった。胸腹部造影CTで食道に腫瘤性病変を認め、頚部・縦隔・腹腔内に多発するリンパ節腫大を認め、膵尾部にも転移巣と考えられる腫瘤性病変を認めた。臨床病期T4N3M1 Stage4bと診断した。遠隔転移を伴っていることから根治手術・放射線療法の適応はないと判断して全身化学療法の方針となった。肺小細胞癌の治療に準じて1st lineとしてEtoposide+CDDP計4クール、2nd lineとしてAmrubicin計6クール、3rd line としてCPT-11計5クールで治療を行うも原発巣及び転移巣も増大傾向を示し、新たに脳転移、肝転移を認めた。脳転移に対しては全脳照射(計30Gy)を行い転移巣の縮小を認めた。また原発巣の増大に伴い通過障害を来したためCPT-11 2クール目から食道病変に対して姑息的照射(計55Gy)を併用した。その後通過障害は改善を認めたものの照射終了後から約1か月後で咳嗽・食事摂取困難となった。上部消化管内視鏡検査及び食道造影で食道と右主気管支への瘻孔を認めたため食道ステントを留置した。その後一時食事摂取の改善を認めた。ステント留置から1週間後に黄疸を認めた。腹部造影CTを撮影したところ膵頭部病変の増大により総胆管を圧排していることによる閉塞性黄疸と診断した。食道ステントを留置していることから逆行性膵胆管造影は不可能と判断してPTCDを施行、黄疸の改善を認めた。その後SEMSを留置。一時退院となったが肺炎を来たし再入院、呼吸状態の増悪を認め呼吸不全で死亡した。 食道小細胞癌の膵転移により閉塞性黄疸を来した症例は本邦では報告がなく、貴重な症例と考えられたため若干の文献考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 食道小細胞癌, 膵転移 |