セッション情報 | シンポジウム1「消化癌治療のパラダイムシフト 肝胆膵分野」 |
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タイトル | 悪性十二指腸狭窄に対する内視鏡的ステント留置、外科的胃空腸吻合術との比較検討 |
演者 | 齋藤 玄哲(岡山済生会総合病院 内科) |
共同演者 | 吉岡 正雄(岡山済生会総合病院 内科), 藤井 雅邦(岡山済生会総合病院 内科), 足立 卓哉(岡山済生会総合病院 内科), 關 杏奈(岡山済生会総合病院 内科), 下村 泰之(岡山済生会総合病院 内科), 後藤田 達洋(岡山済生会総合病院 内科), 金藤 光博(岡山済生会総合病院 内科), 村上 尚子(岡山済生会総合病院 内科), 山本 久美子(岡山済生会総合病院 内科), 伊藤 守(岡山済生会総合病院 内科), 石山 修平(岡山済生会総合病院 内科), 藤原 明子(岡山済生会総合病院 内科), 塩出 純二(岡山済生会総合病院 内科) |
抄録 | 【目的】これまで悪性十二指腸狭窄に対しては外科的な胃空腸吻合術が施行されていたが、近年十二指腸ステントを挿入する症例が増加している。今回我々は十二指腸ステントのQOL向上における有用性について、胃空腸吻合術と比較し検討した。【対象と方法】2006年1月から2011年12月に悪性十二指腸狭窄に対し当院にて十二指腸ステント挿入、および胃空腸吻合術を施行した症例につき検討した。ステント群は25例(男性15例、女性10例)、年齢平均71.8(45-91)歳、膵癌17例、胆嚢癌3例、腎盂癌2例、胃癌1例、盲腸癌1例、原発不明癌1例であった。胃空腸吻合群は14例(男性6例、女性8例)、年齢平均76.5(56-95)歳、膵癌6例、十二指腸癌4例、胆嚢癌2例、肝臓癌1例、上行結腸癌1例であった。両群につき、手術時間、食事開始、化学療法開始、退院、合併症などを比較して検討を行った。【成績】ステント群については、手技成功率100%、処置時間平均32(10-95)分、食事可能率92%、食事開始までの日数平均3.0(1-14)日、化学療法可能率28.0%、化学療法開始日数平均8.6(1-17)日、退院率56.0%、退院までの日数平均15.3(2-46)日、処置後生存期間平均91.5(10-689)日であった。1例で消化管穿孔を認め、保存的加療で軽快した。胃空腸吻合群については、手術成功率100%、手術時間平均146(80-231)分、食事可能率100%、食事開始までの日数平均6.6(3-18)日、化学療法可能率は28.6%、化学療法開始日数平均13(2-27)日、退院率64.0%、退院までの日数平均25.6(10-39)日、手術後生存期間平均155.8(33-140)日であった。1例で腹腔内膿瘍が発生し、CTガイド下ドレナージを施行し改善した。手術(処置)時間、食事開始までの日数、退院までの日数に関して両群間で統計学的有意差を認め、十二指腸ステントは処置時間、食事開始あるいは退院までの日数が短いことが判明した。【結語】十二指腸ステントは短時間にて施行可能であり早期に食事開始、退院できることより、予後の厳しい悪性腫瘍十二指腸狭窄症例のQOL向上に有用である。 |
索引用語 | 十二指腸ステント, 悪性十二指腸狭窄 |