セッション情報 一般演題

タイトル

妊娠初期に急性増悪したサイトメガロウィルス腸炎合併潰瘍性大腸炎の一例

演者 井口 俊博(岡山大学病院 消化器内科)
共同演者 平岡 佐規子(岡山大学病院 消化器内科), 半井 明日香(岡山大学病院 消化器内科), 平川 智子(岡山大学病院 消化器内科), 秋田 光洋(岡山大学病院 消化器内科), 高橋 索真(岡山大学病院 消化器内科), 原田 馨太(岡山大学病院 光学医療診療部), 岡田 裕之(岡山大学病院 光学医療診療部), 山本  和秀(岡山大学病院 消化器内科)
抄録 【症例】36歳、女性【現病歴】2010年6月第1子を自然分娩、その後から下血有り、7月9日前医CSにて潰瘍性大腸炎(以下UC)と診断された。5-ASAとPSL40mg内服にて寛解となり、同年11月にはPSL漸減中止していた。2012年3月ごろより第二子希望のため不妊治療開始。体外受精時に短期間ではあるがPSL内服されていた。5月上旬より血便出現し、前医にてUC再燃と診断された。また同時に第2子の妊娠第6週が判明した。5月8日前医入院の上PSL30mg、血球成分除去療法(以下CAP)開始した。症状改善傾向あり、PSL20mgへ減量したところ、症状増悪したため更なる精査加療目的に5月21日当院転院となった。【転院後経過】転院当日のサイトメガロウィルス(以下CMV) antigenemia陽性であり、CMV IgG抗体陽性、IgM抗体陰性であったことからCMV潜伏感染の再活性化と判断した。また転院翌日に施行したCSではS状結腸に縦走潰瘍が連なり広範に粘膜が脱落しており、以上からCMV腸炎合併を考えた。胎児への安全性を考慮し抗ウィルス薬は使用せず、免疫グロブリンとintensive CAPを施行したが、腹部症状の改善はなく、CMV antigenemia陽性細胞数は急激な上昇を認めた。CMVの再活性化の場合も胎児がCMVに暴露されている可能性があること、抗ウィルス薬投与なしで病勢制御するのは困難であることを説明したところ、堕胎および抗ウィルス薬使用を患者が希望したため、その方針とした。5月31日より抗ウィルス薬追加後は速やかに臨床的寛解を得た。6月15日退院となり、以降現在まで寛解を維持出来ている。【考察】妊娠初期にCMV腸炎を合併したUC再燃例を経験した。胎児の安全を配慮しながらの治療に非常に苦慮した症例であり、若干の文献的考察を含め報告する。
索引用語 潰瘍性大腸炎, サイトメガロウィルス腸炎