セッション情報 一般演題

タイトル

多発性肝嚢胞に感染をきたし、穿刺排膿により、軽快した一例

演者 堀 立明(同愛会博愛病院 内科)
共同演者 楠本 智章(同愛会博愛病院 内科), 大谷 英之(同愛会博愛病院 内科), 浜本 哲郎(同愛会博愛病院 内科), 鶴原 一郎(同愛会博愛病院 内科), 周防 武昭(同愛会博愛病院 内科)
抄録 肝嚢胞は超音波断層検査の普及によって日常よく目にするようになったが、肝臓腫大による圧迫症状をきたすか、感染や出血などの合併症を起こさない限りは経過をみて治療を行なわない場合が多い。今回肝嚢胞に感染し、抗生剤治療をおこなうも発熱が続くため、エコーガイド下に穿刺吸引を行ない、経過良好であった一例を経験したので報告する。症例;70歳代、女性、38.5℃の発熱と嘔吐で受診した。CRP0.47,末梢血白血球1300と白血球減少を認めた。T.Bil.0.76,AST 54,ALT 27,ALP 364,r-GTP 116、腹部CT検査では胆嚢結石のほか、肝臓内に9cm大をはじめとして数個の肝嚢胞をみとめた。抗生剤スルタミシリンの点滴注射を開始したが、発熱が続き、食欲が低下した。CRP 22.76と上昇、白血球12900と上昇した。抗生剤をメロペネムに変更した。腹部超音波検査でS4の嚢胞内に鏡面形成を認め、嚢胞感染と診断してエコーガイド下に穿刺排膿を行なった。黄色調の白濁した膿汁を260ml吸引した。穿刺液からEnterobacter cloacaeを検出した。抗生物質に対する耐性は認めなかった。細胞診では悪性細胞は認めなかった。その後再び発熱を認め、一旦低下したCRPが上昇したため、二度目の穿刺排膿を行なった。その後症状は消失し、エコー検査では、感染した嚢胞は多房性となったが、嚢胞内に膿汁エコーは認めなかった。感染性肝嚢胞に対する治療としては、ドレナージチューブを留置してミノサイクリンを注入して洗浄が行なわれる場合もあるが、今回は穿刺排膿だけでも効果が得られた。なおERCPでは嚢胞と胆道系との交通は無く、門脈を経由した血行性感染と考えられた。今後再発が見られる場合には、外科的切除を検討する必要があると考えられる。肝嚢胞に感染をきたし、穿刺排膿で感染が治癒した一例を経験し報告する。
索引用語 肝嚢胞, 感染