セッション情報 一般演題

タイトル

当院におけるMALTomaの治療成績

演者 高田 俊介(広島市立安佐市民病院 内視鏡内科)
共同演者 永田 信二(広島市立安佐市民病院 内視鏡内科), 齊藤 裕平(広島市立安佐市民病院 消化器内科), 平野 大樹(広島市立安佐市民病院 消化器内科), 宮木 英輔(広島市立安佐市民病院 消化器内科), 鳩岡 正浩(広島市立安佐市民病院 消化器内科), 田丸 弓弦(広島市立安佐市民病院 消化器内科), 上田 裕之(広島市立安佐市民病院 消化器内科), 脇 浩司(広島市立安佐市民病院 消化器内科), 桑原 健一(広島市立安佐市民病院 消化器内科), 木村 茂(広島市立安佐市民病院 消化器内科), 金子 真弓(広島市立安佐市民病院 臨床検査科), 田中 英夫(広島市立安佐市民病院 血液内科), 辻 恵二(広島市立安佐市民病院 消化器内科)
抄録 【はじめに】胃mucosa-associated lymphoid tissue (MALT)リンパ腫の発生にはHelicobacter pylori (H. pylori)感染が強く関与しており、近年H. pylori除菌療法の有効性が広く認知されるようになってきた。
【対象と方法】対象は平成13年から24年までに経験した胃MALTリンパ腫65例を対象に臨床的特徴や治療経過について検討した。なお、胃MALTリンパ腫の治療はH. pyloriの有無に関わらず3剤(PPI+AMOX+CAM)併用による除菌療法を行い、腫瘍の残存があればH. pylori感染の再評価を行い除菌不成功例では二次除菌(PPI+AMOX+MTZ)を行った。それでも腫瘍残存が認められれば放射線療法や化学療法を追加した。
【結果】症例の内訳は、男性28例、女性37例、平均年齢61.9歳(37-84歳)、H. pylori陽性56例、陰性9例であった。病変の局在は、U領域5例、M領域49例、L領域11例で肉眼型は表層型60例、隆起型4例、潰瘍型1例であった。H. pylori陽性57例中、除菌成功例は51例(一次除菌成功34例、二次除菌成功18例)で、うち42例で腫瘍の消失を認めたが、1例で治療後にdiffuse large B-cell lymphoma (DLBCL)の発症を認め、9例は腫瘍の残存のため化学療法または放射線療法を追加して寛解に至った。除菌不成功5例中2例は残存のため放射線療法を追加した。H. pylori陰性9例中、6例で除菌療法後も腫瘍の残存を認め、放射線療法で寛解を得た。
【結語】当院での除菌療法による治癒率は69.2%と良好な成績であったが、除菌後腫瘍が一旦消退してから再燃やDLBCLの発症を認めた症例も経験しており、内視鏡による定期的な経過観察が必要と思われた。
索引用語 胃MALTリンパ腫, H. pylori