セッション情報 一般演題

タイトル

貧血、便潜血検査陽性を契機に発見されたCowden病の一例

演者 岩本 泰明(川崎医科大学附属病院 食道胃腸内科)
共同演者 山中 義之(川崎医科大学附属病院 食道胃腸内科), 中津川 善和(川崎医科大学附属病院 食道胃腸内科), 村尾 高久(川崎医科大学附属病院 食道胃腸内科), 佐藤 元紀(川崎医科大学附属病院 食道胃腸内科), 藤田 穣(川崎医科大学附属病院 食道胃腸内科), 松本 啓志(川崎医科大学附属病院 食道胃腸内科), 垂水 研一(川崎医科大学附属病院 食道胃腸内科), 鎌田 智有(川崎医科大学附属病院 食道胃腸内科), 塩谷 昭子(川崎医科大学附属病院 食道胃腸内科), 濱崎 周次(川崎医科大学附属病院 食道胃腸内科), 田村 和朗(近畿大学 理工学部 生命科学科 分子生物研究室), 春間 賢(川崎医科大学附属病院 食道胃腸内科)
抄録 貧血、便潜血検査陽性を契機に発見されたCowden病の一例症例は30歳代の男性。18歳より先天性知的障害のため施設入所中であった。入所時より軽度の貧血を指摘され鉄剤内服で経過観察されていた。H2×年黒色便、便潜血検査陽性であった為、上部消化管内視鏡検査が施行された。食道・胃・十二指腸に多発するポリープを認め、精査加療目的で当院当科入院となった。入院時身体所見で、巨頭症(頭位63cm)、右耳介に脂肪腫、口腔内の歯肉肥厚、両手背の疣贅状丘疹を認めた。上部消化管内視鏡検査では、全食道に密生する白色隆起(glycogenic acanthosis)を認め、胃には発赤調と灰白調ポリープが多発していた。下部消化管内視鏡検査では直腸からS状結腸にかけて多発する小亜有茎性ポリープを認めた。生検組織から多発ポリープは、過誤腫と診断された。腸管外病変として、超音波検査で甲状腺腺腫様結節を認めた。消化管過誤腫性ポリポーシスと皮膚所見(色素沈着は認めない)及び知的障害(精神遅滞)や巨頭症、甲状腺病変を認める事からCowden病と診断した。黒色便、貧血の原因として胃ポリープからの出血が考えられため、比較的サイズの大きなポリープに対してEMRを施行した。病理診断では多様な組織を示し、いわゆる過誤腫ポリープ像を呈しており、悪性所見は認めなかった。貧血、便潜血陽性を契機に発見されたCowden病の一例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 消化管ポリポーシス, 過誤種