セッション情報 一般演題

タイトル

保存的に軽快した門脈ガス血症を伴った非閉塞性腸管虚血の3例

演者 西向 栄治(山陰労災病院 消化器内科)
共同演者 庄司 恭子(山陰労災病院 消化器内科), 岩本 拓(山陰労災病院 消化器内科), 田本 明弘(山陰労災病院 消化器内科), 角田 宏明(山陰労災病院 消化器内科), 向山 智之(山陰労災病院 消化器内科), 神戸 貴雅(山陰労災病院 消化器内科), 謝花 典子(山陰労災病院 消化器内科), 岸本 幸廣(山陰労災病院 消化器内科), 古城 治彦(山陰労災病院 消化器内科)
抄録 門脈ガス血症は腸管壊死などに起因し,その原因のひとつである非閉塞性腸管虚血(NOMI)例も致死率が高いと報告されている。一方、最近、画像診断の進歩による早期発見例や保存軽快例の報告も散見され、門脈ガス血症は必ずしも予後が不良な症例ばかりではないとも言われる。今回保存的に軽快した門脈ガス血症を伴ったNOMIの3症例を報告する。【症例1】79歳男性。糖尿病、陳旧性心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症で抗凝固療法中。愛煙家。平成19年6月昼食後、急激な臍周囲痛が出現し当院に搬入。CT、USで肝内末梢門脈枝、上腸間膜静脈内、腸管壁内の嚢胞状にガス貯留像を認めた。画像上、動脈血栓による壊死や絞扼画像は不明で、外科医と相談し、抗生剤、輸液で保存的に観察した。4病日には門脈ガス像は消失し、24日後軽快退院した。4ヶ月後再発したが保存的に軽快した。【症例2】74歳男性。糖尿病、高血圧、不整脈で抗凝固療法中。平成20年1月1週間前より続く腹痛と嘔吐を主訴に受診した。腹部CT、USで門脈末梢枝と、上腸間膜静脈内、腸管壁内のガス像を認めた。外科医と相談し、抗生剤、輸液で保存的に加療を行い、3病日には門脈ガスは消失した.4ヶ月後肺炎で死亡。【症例3】82歳女性。認知症、慢性心不全のため他院で利尿剤加療中。嘔吐、食思不振が改善せず、平成24年7月救急紹介。CT、USで、肝左葉に門脈ガス血症を認め、脱水に伴う慢性腸管虚血、腸管内圧増加が原因と考え、補液とヘパリン投与し観察した。4病日CTの門脈ガスは消失軽快した。3例とも上腸間膜動脈(SMA)に塞栓像などの異常所見を認めなかった。【考察】3症例とも、糖尿病、高血圧等により画像上高度な動脈硬化を示し、さらに他の要因が加わり腸管虚血、腸管気腫を来して発症した。症例2はαグルコシダーゼ内服のため腸管内圧上昇も発症に関与した。症例3は、利尿剤の効き過ぎによる脱水が腸管虚血を引き起こした。最近、本例のように保存的に軽快するNOMI症例の報告が散見される。今後、高齢者増加に伴い同様な症例の増加が予想され注意が必要である。
索引用語 門脈ガス, 非閉塞性腸管虚血