セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 胆管内乳頭状腫瘍を合併した膵頭部IPMCの1例 |
演者 | 三上 博信(島根県立中央病院 消化器科) |
共同演者 | 中瀬 真美(島根県立中央病院 消化器科), 上野 さや香(島根県立中央病院 消化器科), 福田 聡司(島根県立中央病院 消化器科), 泉 大輔(島根県立中央病院 消化器科), 矢崎 友隆(島根県立中央病院 消化器科), 沖本 英子(島根県立中央病院 消化器科), 園山 隆之(島根県立中央病院 消化器科), 伊藤 聡子(島根県立中央病院 消化器科), 宮岡 洋一(島根県立中央病院 内視鏡科), 藤代 浩史(島根県立中央病院 内視鏡科), 高下 成明(島根県立中央病院 消化器科), 今岡 友紀(島根県立中央病院 消化器科) |
抄録 | 症例は69歳男性。X年1月6日ごろから軽度の右季肋部痛を自覚。1月9日近医受診し、採血にて肝機能障害を指摘され当院紹介、精査目的に入院となった。既往歴、家族歴に特記事項なし。生活歴は1日日本酒2合の飲酒歴があり。 入院時の理学所見では腹部所見は特記事項なし。血液検査では肝胆道系酵素とCRPの上昇を認めた。腹部造影CTでは、総胆管内に造影効果のある充実成分を認め、膵頭部に境界不明瞭な25mm大の低吸収域を認めた。腫瘍が胆管を圧排または浸潤しているような所見であった。MRCPでは膵には分枝型IPMNが散在しており、膵頭部の腫瘍部には多房性嚢胞成分を認めた。EUSでも、膵頭部に不整な低エコー腫瘤を認め、総胆管内へ浸潤している所見であった。術前診断としては、膵頭部癌T3N0M0cStage3と考え、PPPDおよび門脈合併切除を行った。病理組織検査では、膵頭部には核の腫大した粘液産生を伴う異型な細胞が増生しており、IPMCの所見であった。術前評価とは異なり総胆管への浸潤は認めず、総胆管内には別の乳頭状腫瘍を認めた。こちらは粘液産生の乏しい乳頭腺癌であり、IPNB由来の胆管癌と診断した。IPNBは症例数が少なく、腫瘍形態による分類はまだ明確な定義付けはされていない。今回我々は、IPMCとIPNBの胆管癌が合併した貴重な症例を経験したため、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | IPMC, IPNB |