共同演者 |
佐々木 恭(川崎医科大学附属病院 肝胆膵内科学), 小山 展子(川崎医科大学附属病院 肝胆膵内科学), 中島 義博(川崎医科大学附属病院 肝胆膵内科学), 多田 大和(川崎医科大学附属病院 肝胆膵内科学), 河瀬 智哉(川崎医科大学附属病院 肝胆膵内科学), 仁科 惣治(川崎医科大学附属病院 肝胆膵内科学), 富山 恭行(川崎医科大学附属病院 肝胆膵内科学), 吉岡 奈穂子(川崎医科大学附属病院 肝胆膵内科学), 原 祐一(川崎医科大学附属病院 肝胆膵内科学), 吉田 浩司(川崎医科大学附属病院 肝胆膵内科学), 伊禮 功(川崎医科大学附属病院 病理部), 中村 雅史(川崎医科大学附属病院 消化器外科), 日野 啓輔(川崎医科大学附属病院 肝胆膵内科学) |
抄録 |
【症例】40歳,女性【現病歴】平成23年12月心窩部痛を主訴に近医受診。疼痛の原因はAGMLであったが、CTで肝S2に4cm大の腫瘤を認め精査目的で当院を受診。アルコール摂取は1合/日。HBs抗原陰性,HBs抗体陰性,HCV抗体陰性。Plt35.6,AST13,ALT19,肝機能は良好でICG(15min)は4.3,AFP,PIVKA-2共に正常値であった。腹部エコ-では正常肝の所見で背景肝に著変なくS2に下面に突出する境界明瞭で輪郭一部不整な高エコー腫瘤を認めた。造影エコーでは後血管相で低エコーを呈さずHCCは否定的な所見であった。また肝静脈へ流出する像を認め、肝血管筋脂肪腫を疑った。EOB-MRIでは腫瘤は脂肪を含有し動脈相で高信号,門脈相で低信号,肝細胞相でも低信号でありHCCはを完全に否定できない所見であった。HCCを完全には否定できない所見であり,また破裂の危険性も有したため腹腔鏡下肝外側区域切除術を施行。病理組織所見では出血を伴う充実性腫瘤で,内部に脂肪成分,血管組織,平滑筋細胞を認めた。免疫染色ではHMB-45強陽性で肝血管筋脂肪腫と診断した。また、マクロファージマーカーであるCD68免疫染色を施行したところ、染色されクッパー細胞の存在を証明した。【考察】今回,多血性腫瘍で診断に苦慮し外科的切除にて診断し得た肝血管筋脂肪腫の1例を経験した。 |