セッション情報 一般演題

タイトル

胃癌手術症例における血中エリスロポエチンが血管新生に与える影響

演者 竹本 圭宏(山口大学 大学院 器官病態外科学)
共同演者 榎 忠彦(山口大学 大学院 器官病態外科学), 岡田  一貴(山口大学 大学院 器官病態外科学), 原田 栄二郎(山口大学 大学院 器官病態外科学), 加藤 智栄(山口労災病院 外科), 濱野 公一(山口大学 大学院 器官病態外科学)
抄録 【目的】悪性腫瘍の予後を規定する因子の一つに貧血が挙げられているが、貧血を改善させる目的で投与されたエリスロポエチン(EPO)製剤により、逆に予後が悪化するという報告がある。本研究では血中EPO濃度が癌の血管新生に与える影響を検討した。【対象と方法】Stage1・2の胃癌手術患者46例を対象とし、術前の血中EPO濃度をCLEIA法で測定した。摘出標本でCD105抗体を用いた免疫染色で腫瘍内血管密度を組織学的に評価し、血管密度と血中EPO濃度の関連を検討した。【結果】Stage1・2の胃癌手術症例のうち、血中EPO濃度が36 mU/ml以上の症例をEPO高値群(n=10)とした。EPO高値群と性別・年齢・stageをマッチングさせた36 mU/ml未満の症例をEPO低値群とした(n=10)。1視野あたりの腫瘍内微少血管数はEPO高値群で35.2±10.6、EPO低値群で27.1±11.3であり、EPO高値群で有意に腫瘍血管が多かった。【結語】Stage1および2の胃癌手術患者において、血中EPO濃度が高値な症例は、腫瘍内の血管新生が促進されており、EPOは癌進展に寄与している可能性がある。
索引用語 エリスロポエチン, 胃癌