セッション情報 | 中国支部専修医奨励賞(卒後3-5年迄) |
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タイトル | 腎摘出から21年後に発症した腎細胞癌膵転移の一例 |
演者 | 田邉 規和(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学) |
共同演者 | 戒能 聖治(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学), 播磨 博文(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学), 末永 成之(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学), 植木谷 俊之(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学), 原野 恵(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学), 鈴木 伸明(山口大学大学院 医学系研究科 消化器腫瘍外科学), 岡 正朗(山口大学大学院 医学系研究科 消化器腫瘍外科学), 坂井田 功(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学) |
抄録 | 症例は60歳代男性。21年前に左腎細胞癌に対し左腎摘出術の既往があった。20XX年9月に上行結腸のLSTに対する内視鏡的治療目的に当科入院となった。術前スクリーニングのため施行された腹部超音波検査で膵鉤部に20mm大の腫瘤を指摘された。大腸LSTに対してEMRを施行し、偶発症を認めず退院となった。同年10月に膵腫瘤精査目的で当科再入院となった。身体所見では腹部正中に腎摘出後の手術痕を認めた。血液検査ではAMY 222 IU/Lと膵酵素の軽度上昇を認めた。各種腫瘍マーカーはいずれも陰性であった。dynamic CTでは膵鉤部に20mm大の腫瘤と腫瘤に接する15mm大の嚢胞性病変を指摘された。腫瘤は早期相で濃染され、門脈相および平衡相まで造影効果は遷延していた。PET-CTでは腫瘤部に一致してSUV max 2.58の軽度FDG集積を認めた。その他にFDG異常集積は認めなかった。超音波内視鏡検査では膵鉤部に20mm大の境界明瞭で、辺縁整な低エコー腫瘤を認め、腫瘤に接して15mm大の単房性嚢胞を認めた。ソナゾイド造影では腫瘤部分はhypervascularityを呈していた。腫瘤部分に対して病理学的診断目的にEUS-FNAを施行した。採取された検体は血液成分が主体であり、細胞成分が少なく病理組織学的診断には至らなかった。その後、2回のEUS-FNAを追加したが同様の結果であった。鑑別として嚢胞変性を伴う膵神経内分泌腫瘍と腎細胞癌膵転移を考え、当院外科で幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した。病理組織検査では淡明細胞型の腎細胞癌の所見を認め、異時性膵転移と診断した。術後経過は順調で、現在、無再発生存中である。膵腫瘍のうち転移性腫瘍は比較的稀である。また本症例では腎癌初発から非常に長期間を経てからの再発であり、貴重な症例と考えられたため若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 膵転移, 腎細胞癌 |